Kahoot!

Kahoot!（カフート）とは

Kahoot!は、学校などの教育機関で利用される教育用ゲームプラットフォームです。多肢選択式のクイズ形式の学習ゲーム「kahoots」を通じて、生徒の理解度を測りながら、授業をインタラクティブに進めることができます。ウェブブラウザやアプリからアクセス可能で、教室での従来の活動に代わる新しい学習方法を提供します。また、トリビアクイズも楽しむことができます。

歴史・開発

Kahoot!は、2012年にノルウェー科学技術大学のプロジェクトで開発が始まりました。Johan Brand、Jamie Brooker、Morten Versvikらが中心となり、アルフ・インゲ・ワング教授や実業家のÅsmund Furusethも加わりました。2013年3月にサウス・バイ・サウスウエストでベータ版が公開され、同年9月には一般公開されました。

Kahoot!は、教室での社会的学習を促進するために設計され、電子黒板やプロジェクターなどの共有画面に生徒が集まってゲームに参加します。SkypeやGoogle ハングアウトなどの画面共有ツールを併用することで、オンラインでの利用も可能です。ゲームは、共有画面に表示されるPINコードをプレイヤーが各自のデバイスで入力することで始まり、教師が作成したクイズに答えてポイントを競います。

ポイントは、正解だけでなく解答の速さによっても加算され、連続正解することでより多くのポイントを獲得できます。問題の種類には、基本的なクイズ形式の他に、並べ替え問題の「Jumble」があります。また、Kahoot!はウェブブラウザやモバイルアプリの両方で利用できます。

2017年3月には累積参加者数が10億人を突破し、月間利用者数も5000万人を超えるなど、世界中で利用が広がっています。同年9月には、宿題用のアプリケーションもリリースされました。

資金調達も積極的に行われており、2017年時点で2650万ドル、2020年には15億ドルと評価されるなど、急成長を遂げています。

ゲームの種類と機能

Kahoot!では、クリエイターが様々な問題形式を選択できます。

The Quiz: 基本的なクイズ形式で、質問と複数の選択肢から正解を選びます。プレミアムユーザーは単一回答か複数回答かを選択できます。
True/False: 正誤問題で、選択肢は「True」または「False」に固定されます。
Open-ended: キーボードで回答を入力する形式で、複数の正答を設定できます。
Puzzle: 用意された選択肢を正しい順序に並べ替える形式です。

プレミアムユーザーは、以下の機能も利用できます。

Polls: クイズと同様ですが、正解やポイントはなく、解説スライドが表示されます。
Word Cloud: プレイヤーが単語を入力し、クラウド状に表示する機能です。

ゲーム終了時には、上位3名が表彰台に上がるアニメーションが表示されます。また、プレイヤーはゲーム体験を評価できます。

2021年には、Cleverのシングルサインオンデジタル学習プラットフォームを5億ドルで買収し、国際展開を加速しています。

調査・原型

Kahoot!のコンセプトは、2006年にノルウェー科学技術大学のアルフ・インゲ・ワング教授が、大学院生との実験で開発した複数のプロトタイプに遡ります。教員がゲームショーの司会者となり、生徒がモバイルデバイスを使って競争するという形式が原型となりました。最初のプロトタイプは「Lecture Quiz」と呼ばれました。

Lecture Quizの初期バージョンは、スマートフォンが普及していなかった2006年に開発されました。生徒は、大学のWi-Fiまたは3G回線を使ってゲームに参加しました。初期の実験では、Lecture Quizが学習意欲を高め、授業への参加を促すことが示されました。

Lecture Quizは、その後も改良が重ねられ、2.0ではウェブインターフェースが導入され、生徒と教師の両方が使いやすくなりました。3.0では、HTML5やCSS3が採用され、ユーザーインターフェースが大幅に向上しました。

Kahoot!は、2013年に製品化されて以降、教室でのゲームベース学習に関する多くの研究が行われました。これらの研究では、Kahoot!が学習意欲や集中力を高め、生徒間のコミュニケーションを促進する効果があることが示されました。また、他の学習ツールとの比較研究では、Kahoot!が特にモチベーションや楽しさの面で優れていることが示されました。

ただし、ネットワークの遅延がユーザー体験に大きな影響を与えることや、タイムプレッシャーが課題であることも指摘されています。2020年には、Kahoot!の学習効果に関する文献レビューが発表され、学習成果、クラスルーム・ダイナミクス、生徒と教師の認識に良い影響を与えることが結論付けられました。

Kahoot!は、教育におけるテクノロジーの利用を促進し、学習をより楽しく、効果的にするための重要なツールとなっています。その教育的な質は、Education Alliance Finlandによっても認証されています。

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