Kalpana-1

カルパナ-1についての詳細

カルパナ-1（Kalpana-1）は、インドが宇宙に送り出した気象衛星で、2002年9月12日にインド宇宙研究機関（ISRO）のロケット、PSLVによって打ち上げられました。この衛星は、静止軌道に投入された最初の人工衛星で、インドの宇宙探査における重要な一歩となりました。

元々、「MetSat-1」という名称で呼ばれていたカルパナ-1は、2003年2月5日にインドの当時の首相、アタル・ビハーリー・ヴァージペーイーによって現在の名前に改名されました。この変更は、コロンビア号の空中分解事故により亡くなったインド人宇宙飛行士カルパナ・チャウラに対する追悼の意味を込めたものです。

主要な機能

カルパナ-1の主な機能は、気象観測に特化した装置を搭載していることです。その中心となっているのが、非常に高解像度でスキャンを行うVHRR（Very High Resolution scanning Radiometer）です。これにより、地表面の温度や雲の動き、降水量など、さまざまな気象データを取得できます。また、データ中継を担当するDRT（データ中継トランスポンダ）も搭載されており、得られたデータを迅速に地上に送信することができます。

VHRRの観測波長帯の詳細

VHRRは、以下の3つの波長帯域で観測を行います：

• - 可視光帯（0.55-0.75μm）: この波長帯は、肉眼で見ることができる光の範囲に対応し、雲の存在を確認したり、地表の反射率を分析したりします。
• - 水蒸気帯（5.7-7.1μm）: この範囲では、水蒸気の分布を観察することが可能であり、気象予測や気温の変化を把握する上で欠かせないデータを提供します。
• - 赤外線帯（10.5-12.5μm）: 赤外線を用いることで、雲の高さや温度を計測し、気象状況をより詳しく分析することができます。

カルパナ-1は、その高性能な観測機器によって、気象データの収集だけでなく、自然災害の予測や防災対策にも寄与しています。打ち上げ以来、数十年にわたって運用され、インド国内外の気象機関へ重要な情報を提供し続けています。

結論

カルパナ-1は、インドにとって初の静止気象衛星であり、その観測能力は国や地域の気象に関する理解に大いに貢献しています。今後もその活動が続けられ、多くの生命や財産を守る手助けとなることが期待されています。

参考文献

• - インドの人工衛星一覧

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