Kerbal Space Program

『Kerbal Space Program』（カーバル・スペース・プログラム）は、メキシコを拠点とするゲーム開発会社Squadが開発した、宇宙開発シミュレーションゲームです。このゲームは、プレイヤーが架空の惑星Kerbinを拠点に、ロケットや飛行機、潜水艇などの様々な乗り物を自作し、宇宙探査を行うことを目的としています。Windows、Mac OS X、LinuxといったPCプラットフォームのほか、PlayStation 4|PlayStation_4やXbox Oneなどの家庭用ゲーム機向けにもリリースされています。

2011年6月にSquadの公式サイトで発売が開始され、その後2013年3月にSteamのアーリーアクセスに登場しました。2015年4月に正式版がリリースされ、ユーザーはMODを通じてゲームのカスタマイズや機能追加を楽しむことが可能です。開発元であるSquadは、MOD作成者向けに情報を提供しており、コミュニティの活発な活動をサポートしています。このゲームは、NASAをはじめとする宇宙開発機関や宇宙産業関係者からも注目を集めています。

2017年5月には、ゲームソフト開発・販売会社のテイクツー・インタラクティブが『Kerbal Space Program』を買収し、SquadはPC版とコンシューマー版の両方のアップデートを継続するための支援を受けることになりました。その後、テイクツー・インタラクティブの販売子会社であるPrivate Divisionから、2018年1月にPlayStation 4|PlayStation_4とXbox One向けに『Enhanced Edition』が発売されました。

ゲーム内容

このゲームの舞台は、太陽系に似た惑星配置を持つKerbol星系です。プレイヤーは、Kerbinという惑星を拠点に、独自の宇宙船を設計し、Kerbol系の惑星や衛星を探索します。ロケットを打ち上げ、惑星に着陸し、調査を行い、Kerbinに帰還するというサイクルを繰り返します。探査を通じて得られる「サイエンスポイント」を使い、ロケットの技術を強化し、より遠くの宇宙を目指します。

また、ロケット以外にも、飛行機や潜水艇といった調査用機材も作成可能です。Kerbinの住民であるKerbalたちは、船外活動中にも操作可能で、ロケットに搭乗させることでミッションに挑むことができます。Kerbalたちは、宇宙開発における重要な要素として、プレイヤーの冒険をサポートします。

ゲームモード

ゲームを開始する際、プレイヤーは3つのゲームモードから選択できます。

サンドボックスモード: 全てのパーツを無制限に使用でき、自由に宇宙船を組み立て、飛行させることができます。資源や技術的な制限は一切なく、純粋な創造と実験に没頭できます。
サイエンスモード: 解放されたパーツを無制限に使用でき、KerbinやKerbol系での実験を通じて「サイエンスポイント」を獲得し、研究開発センターで新しいパーツや技術を解放していきます。技術ツリーをアンロックしていくことで、ゲームを進行させます。
キャリアモード: サイエンス要素に加え、資金や名声などの要素も加わり、乗組員のレベルアップや専門職による個性化が適用されます。施設のアップグレードやパーツの購入には費用がかかり、様々な制限の中でミッションを達成していきます。

追加コンテンツ

ゲームの機能を拡張するダウンロードコンテンツ（DLC）もリリースされています。

Making History: 実在のロケットや宇宙開発の歴史をモチーフにしたDLCで、サターンVやボストークといった有名なロケットをゲーム内で再現できます。2018年3月に発売されました。
* Breaking Ground: 探査や科学実験、ロボティクスを強化するDLCです。ロボットアームや各種センサーが追加され、より高度なミッションが可能になります。2019年5月に発売されました。

その他

続編となる『Kerbal Space Program 2』は、PC版が2023年2月24日にアーリーアクセス版として発売されました。コンシューマー版のリリースは後日予定されています。このゲームは、ロケット製作から宇宙空間・惑星での移動まで、宇宙開発の学習教材としても利用されており、教育機関などでも活用されています。

『Kerbal Space Program』は、単なるゲームとしてだけでなく、宇宙開発の楽しさや難しさを体験できるシミュレーションツールとして、多くの人々に愛されています。その自由度の高さと奥深さは、宇宙開発ファンだけでなく、多くのゲーマーを魅了し続けています。

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