Kfz 13

アドラー Kfz.13

アドラー Kfz.13は、第二次世界大戦前にドイツ国防軍によって採用された装甲偵察車両です。正式名称は「Maschinengewehrkraftwagen 13, kfz.13」と呼ばれ、特に偵察任務において重要な役割を果たしました。

概要

ドイツは1929年から再軍備を進め、偵察用の4輪軽装甲車の設計に着手しました。その結果、1932年から1934年にかけて、Kfz.13が147両生産されました。特徴的なのは、この車両が民間用のアドラー社のスタンダード6シリーズ12N-RWをベースにしている点です。車体は5mm厚の装甲板で補強され、8mm厚の装甲を使用して車体構造が形成されています。

車両の前方にはラジエターが設置されており、格子状の装甲で保護されています。しかし、点検用の開口部は側面と上面に位置しており、装甲は施されていません。全体の形状がバスタブに似ていることから、この車両は「Badewanne」（バーデヴァンネ）というニックネームでも知られています。

戦闘装備

Kfz.13の戦闘室はオープントップ仕様で、初期型には7.92mm MG13軽機関銃、後期型にはMG34機関銃を搭載しています。この機関銃は全周回転台座に設置され、小型の防盾と共に使用されました。機銃の可動範囲は-35度から65度まであり、戦闘時には効果的に敵を攻撃することが可能でした。

乗員は車長と操縦手の2名で構成されており、緊急時には後部に追加の兵士を乗せることもできました。副武装としては、9mmエルマEMPや後にMP38が装備されており、戦闘力を高める要素となっていました。

派生型とその役割

Kfz.13の派生型として、無線通信車型のKfz.14が生産されました。この型は40両が製造され、Kfz.13の機関銃を取り外して車内に無線機とフレームアンテナを装備しました。乗員は3名に増加し、通信任務に特化した仕様となっています。

Kfz.13は60hpのガソリンエンジンを搭載し、最大速度は60km/hに達しましたが、元々民間用の後輪駆動車両のため、オフロード性能は限られていました。このため、より本格的な軍用4輪駆動シャーシを採用した軽装甲偵察車のSd Kfz 221〜Sd Kfz 223が開発され、1938年からは装備の見直しが進められました。

配備と実績

生産されたKfz.13およびKfz.14は、1932年から機械化捜索大隊に配備されましたが、1935年により優れた4輪装甲車が登場した際には補助車輛に格下げされました。さらに、未機械化部隊への払い下げが行われた結果、Kfz.13は第二次世界大戦初期のポーランド侵攻において実際に使用されました。フランス戦にも少数が参加していましたが、1941年には現役を引退しました。

メディアでの登場

アドラー Kfz.13は、いくつかのゲーム作品にも登場しています。例えば、『total tank simulator』ではドイツの装甲車として、また『call of war』では枢軸国の装甲車両として具体的に扱われています。これらの作品を通じて、Kfz.13の魅力を再発見することができます。

参考文献

本テーマに関する詳細な情報は、Peter ChamberlainおよびHilary Doyle著の『ENCYCLOPEDIA OF GERMAN TANKS OF WORLD WAR TWO』に記載されています。この書籍は、ドイツの戦車や装甲車についての包括的なデータを提供しています。

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