Kind of Love

アルバム『Kind of Love』の概要

『Kind of Love』（カインド・オブ・ラブ）は、日本のロックバンドMr.Childrenが1992年にリリースした2枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは、前作『EVERYTHING』から約7ヶ月という短い期間での発表でした。リリース日は1992年12月1日、トイズファクトリーからの発売です。

アルバムの背景

本作は、2ndシングル『抱きしめたい』と同時に発売され、初回限定盤には特別なパッケージや大型歌詞カードが付属しています。アートディレクションは信藤三雄率いるContemporary Productionによって行われました。このアルバムのタイトル『Kind of Love』は、Mr.Childrenが愛の多様性を表現しようとする意図から命名されました。初めは「愛」という重い言葉を用いることにためらいがあり、より軽やかに「愛のようなもの」といったニュアンスを反映させました。

レコーディングの詳細

レコーディングは、新宿ヒルトンホテルのスイートルームで行われました。スタジオを借りるよりも経済的で、長時間試行錯誤できる環境を選んだ小林武史と桜井和寿は、先端のハードディスク・レコーディングを駆使し、シンセサイザーを用いて作品を作り上げました。録音は、主に彼ら2人によって進められ、他のメンバーは後から参加する形で作業が進行しました。この手法は、レコーディングの過程において新たな創造性を引き出し、作詞や作曲のクレジットにも小林の名前が多く見られます。

チャート成績

アルバムは、オリコンチャートで最高13位を記録し、159週にわたって100位以内にランクイン。このように長期間チャートに留まり続けた結果、1996年には累計売上が100万枚を突破しました。このアルバムは、週間チャートで一度もトップ10に入ったことがないにも関わらず、ミリオンセラーを達成したという特異な実績を持っています。合計売上は118万枚に達し、日本の音楽シーンにおける重要な作品となりました。

収録楽曲の特徴

虹の彼方へ

この曲は、『湘南爆走族9 俺とお前のGOOD LUCK!』や、旅番組『晴れたらイイねッ!』のテーマソングとしても使用されました。桜井和寿は、当初は異なるアレンジを考えていたが、歌詞に合わせて前向きなスタイルに変更したと述べています。

All by myself

後に、3rdシングル『Replay』のカップリング曲として再録されるこの楽曲は、小林との共作で、桜井はMr.Childrenにない新しい世界を表現できたと語りました。

抱きしめたい

この曲は、アルバムの中でもとても重要な位置を占める2ndシングルの表題曲です。

星になれたら

タイトルも仮タイトル「JR」に由来しており、桜井の個人的な経験やインスピレーションから形作られました。

音楽的影響

このアルバムは、バンドの初期作品において音楽的に大きな進化を遂げたもので、Mr.Childrenの音楽スタイルに多様性をもたらしました。各楽曲のアレンジやレコーディング手法には、新たな冒険心が見られ、それが彼らの音楽的な成長を印象づけました。特に、オーケストラの要素やバンドスタイルの融合が新しい魅力を引き立てています。

参加メンバー

このアルバムには、桜井和寿（ボーカル、ギター）、田原健一（ギター）、中川敬輔（ベース）、鈴木英哉（ドラム）、小林武史（キーボード）など、多彩な才能のメンバーが参加しており、各楽曲の制作に寄与しました。

『Kind of Love』は、単なるアルバム以上の存在であり、Mr.Childrenにとっての愛の探求や創造力の発露が詰まった貴重な作品となっています。

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