Kiss My Fake

『キスマイフェイク』：ホンモノを見抜く、予測不能なバラエティ番組

2013年10月24日から2014年3月20日にかけて、TBS系列で放送されたバラエティ番組『Kiss My Fake』（キスマイフェイク）。Kis-My-Ft2と、おぎやはぎの小木博明がMCを務め、ニセモノやインチキを見破る能力を競い合う、視聴者を飽きさせない斬新な番組として人気を博しました。

番組の基本ルールは至ってシンプルです。Kis-My-Ft2チームと小木博明率いるゲストチームが様々なフェイクを見抜き、対決を行います。敗者には過酷な罰則が待ち受けています。キスマイチームが負ければ、特製のルーレットで選ばれたメンバーが次の週、そのメンバーのフェイクと入れ替わるという驚きの展開。ゲストチームが敗北を喫した場合は、番組への出演禁止処分が下されます。ただし、小木博明に関しては、勝敗に関わらず毎週出演するという特例が適用されていました。

この特製ルーレットは番組の見どころの一つでもありました。一見すると公平なルーレットに見えますが、実は裏で操作が可能な作りになっており、番組の最終回でその事実が明かされました。これは、番組が2本撮りであること、またキスマイメンバーのフェイクを用意するのが困難だったという制作側の事情によるものでした。番組制作サイドは、電飾が回転する古典的なデザインのルーレットを敢えて採用することで、視聴者にもその「嘘っぽさ」を演出していました。しかし、キスマイファンの間では、このルーレットに不自然さを感じている視聴者も多く存在したようです。

番組の企画内容に関して、ジャニーズ事務所やKis-My-Ft2メンバーからNGは一切出なかったと言われています。唯一却下されたのは番組タイトル案でした。「ケーフェイ」という案はプロレス用語に由来しており、番組内容を巧みに表現していましたが、最終的には採用されませんでした。

スタッフ陣には、『クイズ☆タレント名鑑』や『テベ・コンヒーロ』といった番組と共通するメンバーが多く、演出や出演者にも共通点が見られました。そのため、これらの番組で培われたノウハウや経験が、『キスマイフェイク』の成功に大きく貢献したと言えるでしょう。また、2014年1月7日には、新春SPとして全国ネットで放送されるなど、高い人気と注目を集めました。

番組では、多くのゲストが出演しましたが、中には番組から永久追放処分を受けたゲストも存在します。オードリー、眞鍋かをり、バカリズムなど、そうそうたるメンバーがその名を連ねています。これら出演禁止ゲストの存在も、番組に緊張感と話題性を生み出していたと言えるでしょう。

『キスマイフェイク』は、予測不能な展開と、出演者たちの個性あふれるパフォーマンス、そして視聴者参加型の要素を巧みに組み合わせた、バラエティ番組として高い評価を受けました。一見シンプルなルールでありながら、その裏には制作陣の工夫と苦労が隠されていた、まさに隠れた名作と言えるでしょう。番組が終了した後も、その斬新な企画や独特の世界観は、多くの視聴者の記憶に刻み込まれ、語り継がれています。番組の成功には、Kis-My-Ft2メンバー、小木博明、そして番組制作スタッフ全員の努力と創意工夫が凝縮されていたと言えるのではないでしょうか。

番組のスタッフロールには、多くの名前が記載されており、それぞれの役割が番組の成功に貢献していたことが分かります。特に、演出・プロデューサーを務めた藤井健太郎氏の存在は大きかったと考えられます。彼の演出手法は、後々出版された『悪意とこだわりの演出術』という書籍にも記されています。この本は、番組制作の裏側や、藤井氏の演出に対する哲学を知る上で貴重な資料となるでしょう。

『キスマイフェイク』は、単なるバラエティ番組ではなく、エンターテインメントとしての完成度が高く、多くの視聴者から愛された番組でした。その独特な世界観と、予測不能な展開は、今もなお多くの人の記憶に残り続けているのではないでしょうか。

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