L-04A

ドコモ STYLE series L-04A：日本市場向けに開発された個性的なスライド型端末

NTTドコモのFOMA端末として2009年に発売されたL-04Aは、LGエレクトロニクスが開発を手掛けたdocomo STYLEシリーズの端末です。海外モデルをベースとしていない、日本市場に特化した設計が特徴です。

デザインと基本スペック

本機は、スライド式を採用し、STYLEシリーズで初めて感圧式タッチパネルを搭載しました。サイズは、同時期に発売されたPRIMEシリーズのL-01Aと近しいものの、ポップで洗練されたデザインに仕上がっています。フルフェイス式のスライド機構により、L-01Aとは大きく異なる印象を与えます。重量もL-01Aより10g軽量化されています。

それまでのLG製日本向け端末は、3.0インチ未満のQVGA液晶が一般的でしたが、L-04Aでは3.0インチワイドVGA液晶を採用。これは、同時発表されたL-06Aと同様のスペックです。

また、日本の海外メーカー製端末としてはL-06Aと共に初めてFeliCaチップを搭載し、おサイフケータイやDCMXなどのサービスを利用可能になりました。ただし、モバイルFeliCaサービスのトルカ、iC通信、iアプリタッチには対応していませんでした。

直感的なタッチパネル操作

タッチパネル操作は、L-01Aで一部操作に限定されていたものから大きく進化しました。端末を閉じた状態でも着信への応答やメールの送受信が可能になり、タッチ、ドラッグ、スクロールといった直感的な操作をサポート。ユーザーインターフェースの利便性が向上しています。

多言語対応とユニークな機能

L-06Aと同様に、メニュー表示言語を日本語、英語、韓国語の3ヶ国語から選択できるマルチリンガル対応を実現。韓国語対応機種同士であれば、韓国語でのSMS送受信も可能です。

さらに、L-04Aはユニークな機能も搭載していました。「モーションお絵かき」では、撮影した写真などに絵やアニメーションを描いてメールで送信可能。「おもしろフェイス撮影モード」では、魚眼レンズ風の画像加工が楽しめます。これらの機能は、ユーザーに創造的な表現手段を提供しました。

発売までの道のりとソフトウェア不具合

L-04Aは、2009年5月19日に開発発表されました。その後、技術基準適合証明（TELEC）、電気通信端末機器審査協会（JATE）、連邦通信委員会（FCC）といった各種認証を取得。しかし、ソフトウェアの不具合により発売が延期され、最終的に2009年9月16日に販売開始となりました。

まとめ

L-04Aは、デザイン、機能、操作性において、当時の携帯電話市場で一定の個性と魅力を放っていました。感圧式タッチパネル、FeliCa対応、そしてユニークなカメラ機能など、多くのユーザーに新鮮な体験を提供したと言えるでしょう。しかし、ソフトウェアのバグによる発売延期の経緯も、この端末の歴史の一部として記憶されています。

もう一度検索