端末

端末（たんまつ、英: terminal）

端末、またはターミナルとは、通常通信やコンピュータに接続して情報を入力したり表示したりするための機器を指します。この用語は、通信分野では回線やネットワークの末端に位置し、他の機器との通信を行う機器を指し、コンピュータ分野では利用者が直接操作する装置としての意味合いを持っています。

端末の概要

通信分野では、端末は中継機器や集約機器と対比される形で使用され、コンピュータ関連では情報の入力と表示の主な機能を担う装置とされています。端末は時代ごとにその形態や役割を変えてきました。

通信用語としての「端末」

通信用語としての「端末」の概念は、例えば電信時代にさかのぼります。この時代、端末は手動の操作によって電信信号を送信するための装置、つまり電鍵や電信機として使われていました。次に登場したのがアナログ電話回線の端末です。これは主に電話機やファクシミリとして機能しました。1962年には、米国AT&Tが初の商業用モデムであるBell 103 modemをリリースし、これが通信の中で「端末」として位置付けられることになります。

1990年代には、アナログ回線を通じて個人用コンピュータやパームコンピュータ、フィーチャーフォンなどの小型機器が接続され、データ交換が行われていました。

コンピュータ用語としての「端末」

コンピュータ用端末の歴史は、初期の電気機械式のテレタイプ端末（TTY）から始まります。1964年にはIBMが汎用コンピュータSystem/360を発表し、この時の入出力装置としては、パンチカード装置やTTYが使用されました。1970年代に入ると、DECは印字専用の端末DECwriterを発表し、IBMもドットマトリクス・プリンター方式の端末を開発しました。これらは、オペレータが不在でも計算結果を記録する目的で利用されましたが、印字速度の制約からインタラクティブな利用には限界がありました。

端末の進化

1971年にIBMがCRT方式の端末IBM 2260を発表、その後もIBM 3270が発売されるなど、ビデオ表示形式の端末が普及していきました。1975年にはDECがVT52を、1978年にはVT100をリリースし、これらは「インテリジェント端末」として知られるようになります。これらの端末は、エスケープシーケンスを解釈する能力を持ち、コンピュータとのインタラクションを向上させました。

テキスト端末とリモート接続

テキスト端末は、テキストの入力と出力を専門としている機器を指します。これには、1970年代に登場したビデオ表示端末も含まれます。これらの端末は、タイムシェアリングシステムを通じて複数のユーザーが同時にコンピュータを利用するための基盤を提供しました。

リモート接続可能な端末としては、Teletype Model 33やASR-33などがあります。1970年代にDECのVT100が登場したことにより、エミュレーション機能を持つ端末も普及し、今日のPC上でのターミナルエミュレーターの基盤となりました。

現代の端末

1970年代末から80年代にかけて、パーソナルコンピュータの登場により、ソフトウェアエミュレータが普及しました。OSにGUIが取り入れられても、コマンドラインインターフェースは依然として重視されています。これにより、テキスト端末の市場はPCソフトとの競争にさらされましたが、依然として重要な役割を果たしています。

また、テキスト端末上で稼働するアプリケーションには、コマンドラインインタプリタやテキストエディタが含まれます。これにより、ユーザーは遠隔サービスへの接続が可能になり、多様な操作が実現されています。

まとめ

端末は通信やコンピュータにおいて重要な役割を果たしており、その歴史は長く、さまざまな技術革新を経て進化してきました。通信業界やコンピュータ業界における重要な概念として、今後もさまざまな形での活用が期待されています。

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