L-62アンティ II

L-62アンティ II：第二次世界大戦下の対空自走砲

L-62アンティ II(スウェーデン語: Luftvärnskanonvagn L-62 Anti II)は、第二次世界大戦中にスウェーデンのランズヴェルク社によって開発された対空自走砲です。

開発の背景

L-62は、ランズヴェルク社が以前に開発したL-60軽戦車を基に開発されました。エンジン、トランスミッション、サスペンションなどの多くのコンポーネントをL-60から流用することで、開発期間の短縮とコスト削減を図りました。開発は1940年から1941年にかけて行われました。ただし、車体は搭載砲に合わせて全長、全幅ともに大型化され、転輪もL-60軽戦車のものより小径で、片側5つに増やされています。

武装

武装は、1930年代に同じくスウェーデンのボフォース社が開発し、輸出兵器として成功を収めていた60口径40mm機関砲です。この機関砲は、360度回転可能な、上面のみ開放式の大型砲塔に搭載されました。

運用

スウェーデン軍には採用されませんでしたが、少数がフィンランドに輸出され、対ソ連戦（継続戦争）で使用されました。また、小改良型が40Mニムロッドとしてハンガリーでライセンス生産されました。

フィンランドでの運用

フィンランドは冬戦争後、1941年4月にスウェーデンに6両のL-62を発注しました。当時、フィンランドはすでにハンガリー製ライセンス品のボフォース40mm機関砲をスウェーデン経由で購入・保有しており、予算節約のため、武装抜きの車体のみを購入しました。購入価格は1両あたり16万5000スウェーデン・クローナでした。最初の1両のみがスウェーデンで砲を搭載され、残りはフィンランド国内で搭載されました。翌年、全6両がフィンランドに到着し、装甲防空中隊が編成されました。これらの車両には当初、R-901～R-906の登録番号が与えられましたが、1943年夏に登録番号システムが変更され、Ps.455-1～Ps.455-6となりました。

1944年夏、ソ連軍の攻勢が始まると、防空中隊は戦車師団と共にカレリア戦線に投入されました。中隊は6月11日から7月11日にかけての戦闘で10機のソ連機を撃墜し、フィンランド軍戦車部隊の対空防御に貢献しました。

フィンランド軍の6両のL-62は全て大戦を生き延び、戦後も長く軍籍にありました。2008年現在、少なくとも4両がフィンランド国内に保存されており、動態保存されている車両もあります。

ハンガリーでの運用

ハンガリーでは、「40M ニムロッド(40M Nimród)」として135両がライセンス生産され、対ソ連戦に投入されました。

参考資料

Bonhard Attila, Sárhidai Gyula, Winkler László: A Magyar Királyi Honvédség Fegyverzete, Zrínyi Katonai Kiadó, Budapest, 1992., ISBN 963 327 182 7
Esa Muikku, Jukka Purhonen, SUOMALAISET PANSSARIVAUNUT 1918 - 1997(THE FINNISH ARMOURED VEHICLES), APALI 1992
Terry Gander, THE 40mm BOFORS GUN, Patrick Stephens Limited, Wellingborough 1986
Csaba Becze, Magyar Steel, STRATUS, 2006

関連項目

自走式対空砲
対空戦車
* 40M ニムロッド

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