L.A. Blue

L.A. Blue

山口百恵の18枚目のスタジオ・アルバム『L.A. Blue』（エル・エー・ブルー）は、1979年7月21日にCBSソニーからリリースされました。このアルバムのサブタイトルは「ロスアンゼルスの憂鬱」と名付けられ、音楽スタイルは当時のAORサウンドを取り入れたものとなっています。

本作は、百恵にとって二度目の海外レコーディングであり、ロックの本場であるウェスト・コーストのミュージシャンたちを起用しました。音楽的な冒険を通じて、歌い手としての彼女の成長と多様性を表現することを目指したアルバムとなっています。ディレクターの川瀬泰雄は、ロサンゼルスという都市が持つ一面の「明るさ」に不安を抱いていました。そこで、都市の裏側を表現することを企画し、より深みのあるアルバムとなるよう努めました。

アルバムのプロデュースにあたり、特に注目されるのがアコースティックギターを用いたリード・ギターです。元愛奴の青山徹が大部分を担当しており、彼の起用はアルバム全体の統一感を出すための川瀬の判断によるものでした。青山も先々の作品において、さまざまなアーティストとのコラボレーションを通じてその名を広めており、百恵自身も彼のギタープレイに高い評価をしていました。

また、ジャケットデザインは当時ロサンゼルスに住んでいたグラフィックデザイナーの田島照久が手掛けています。独特のセンスで構成されたジャケットは、イーグルスの名盤『ホテル・カリフォルニア』を意識したデザインとなっており、アイドルのアルバムとは思えない新鮮さがあります。特に、百恵自身がジャケットに写っていないという点は、当時としては非常に珍しい選択でした。

本作はその後も多くのファンに愛され、2003年6月4日には全アルバムをリマスタリングしたCD-BOX『MOMOE PREMIUM』に収録されました。さらに、2007年にはより高品質なマスターサウンド仕様の『Complete MOMOE PREMIUM』が発売され、この作品の存在が現在でも多くの人々に影響を与え続けています。

収録曲

アルバムの収録曲はすべてB. Fasmanによる編曲が施されています。

クレジット

音楽に関わる全てのミュージシャンやスタッフについての情報は、公式資料などに記載されていますが、具体的な詳細は省かれています。ただし、ディレクターの川瀬やリード・ギターの青山のように、アルバム制作に関与した著名な人物の貢献が際立っています。

脚注・参考文献

本作についての詳細は、川瀬泰雄の著書『プレイバック 制作ディレクター回想記 音楽「山口百恵」全軌跡』に記録されています。これにより、彼女の音楽的軌跡や制作現場でのエピソードが紹介され、アルバムの背景に迫る情報が提供されています。

山口百恵の作品は、その音楽性だけでなく、ビジュアルやプロデュースの面でも印象深いものが多く、今なお多くのリスナーの間で語り継がれています。

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