L.A.ノワール

L.A.ノワール（L.A. Noire）

『L.A.ノワール』は、オーストラリアのゲーム開発会社Team Bondiによって開発され、ロックスター・ゲームスから2011年にリリースされたコンピュータゲームです。ジャンルは推理に特化したオープンワールドアクションアドベンチャーであり、日本国内ではテイクツー・インタラクティブの日本法人が販売を担当しました。最初はPlayStation 3専用ソフトとしてのリリースが予定されていましたが、最終的にはXbox 360とのマルチプラットフォームとしても登場しました。PC版は家庭用ハード版より半年後に発売され、その後2017年には次世代機向けにリマスター版がリリースされ、グラフィックの改善が図られました。

ゲームの舞台とスタイル

ゲームは1947年のロサンゼルスを忠実に再現しており、プレイヤーはロサンゼルス市警の刑事「コール・フェルプス」となり、さまざまな事件に挑むことになります。タイトルに含まれる『ノワール』は、フィルム・ノワールのスタイルを反映したもので、ストーリーや映像効果にその手法が取り入れられています。ゲームの背景には、戦後の混乱や腐敗、麻薬の蔓延、ジャズの音楽などが巧みに描写されており、まさに40年代の刑事映画を意識した作品となっています。

多くの映画の影響を受けたストーリーが展開され、D・W・グリフィスやフリッツ・ラングといった映画監督へのオマージュが散見されます。さらに、Team Bondi独自のオリジナルゲームエンジンや、リアルタイムGI技術が採用され、キャラクターの表情を表現するための先進的なモーションスキャン技術が用いられています。この技術により、リアルな表情やしぐさがゲーム内に反映され、より没入感のある体験を提供しています。

ストーリーとキャラクター

『L.A.ノワール』の大筋となるストーリーは、主人公が市警に配属され、各部署を異動しながら事件を解決していく過程を描いています。彼はさまざまな実在の事件を基にした犯罪や陰謀に立ち向かうことになります。ゲーム内では、メインストーリーに直結しない「ストリート・クライム」も発生し、プレイヤーは様々なサイドミッションに挑戦することができます。これにより、ゲームの流れを途切れさせず、常に新たな発見があるプレイヤー体験が提供されています。

登場キャラクターには、コール・フェルプスばかりではなく、彼の相棒や上司、事件関係者が豊富に存在し、それぞれの個性や背景がストーリーに深みを加えます。例えば、フェルプスの追求する正義感や、彼を取り巻く同僚たちとの関係性が物語に影響を与え、プレイヤーに感情移入を促します。

ゲームシステム

ゲームの捜査は、主人公の手帳に自動で記録され、事件解決のための手助けをする役割を担っています。プレイヤーは目撃者や容疑者から情報を収集し、それが「真実」「疑わしい」「嘘」のどれに該当するかを判断する必要があります。選択によって捜査状況が変化し、リアルな警察活動を体験することができます。また、事件が解決されると、プレイヤーの捜査結果に基づいて評価がなされます。これにより、ゲームの進行に対する挑戦感や達成感が生まれます。

まとめ

『L.A.ノワール』は、情報収集や推理を駆使して事件を解決するというゲームデザインにより、プレイヤーは物語の世界に深く没入できる作品です。その独自のスタイルは、フィルム・ノワールの美学と、1940年代のロサンゼルスの雰囲気を見事に再現しています。リマスター版やVR版の登場により、さらに新たな楽しみ方が広がりつつあり、その人気は今なお色褪せることはありません。

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