L3ハリス・ウェスカム

L3ハリス・ウェスカム

L3ハリス・ウェスカムは、カナダのオンタリオ州に本社を置く企業で、ジャイロ安定式のEO-IRイメージングシステムの開発を専門としています。このブランドは、軍事、法執行、さらにはスポーツ中継に至るまで、幅広い用途で使用される高品質なカメラシステムの代名詞となっています。

設立と歴史

ウェスカムの歴史は1959年に遡ります。当初、ウェスティングハウス・カナダの軍事部門が、カナダ国防研究機関向けに安定化カメラマウントを開発しました。この製品は「WESSCAM」と名付けられ、その後の技術革新の基礎を築きました。1974年には、発明者のノックス・リービットが実験装置と特許を取得し、Istecリミテッドを設立。以降、同社は成長を遂げ、1994年にウェスカムに社名を変更しました。2002年にはL3テクノロジーズに買収され、2019年にハリス・コーポレーションと合併し、L3ハリス・ウェスカムとなりました。

主な製品

ウェスカムの製品ラインは、特にMXシリーズに焦点を当てています。このシリーズには、MX-8、MX-10、MX-15、MX-20、MX-25などがあり、各モデルは異なる用途に特化しています。これらの製品は主に軍事用航空機、ドローン、装甲車、海上プラットフォームに搭載されます。

MX-10

MX-10は2009年に発表されたモデルで、その軽量かつコンパクトなデザインにより、多くの航空プラットフォームでの導入が進んでいます。最大6種類のセンサーを搭載でき、高精細な昼光・赤外線センサーも含まれています。MX-10GSは地上車両への搭載が可能で、より高い視点からの監視を実現しています。たとえば、MX-10MSは無人水上艇で使用されるなど、多様な運用が可能です。

MX-15

MX-15はウェスカムの中でも特に人気の高いイメージングシステムで、優れた画像処理能力を備えています。このモデルは直径が15.5インチ、高さが19インチで、最大45kgの重さに対応しています。さまざまなバリエーションがあり、有人の航空機による運用が一般的です。

MX-20

MX-20はこのシリーズの中で最大のイメージングシステムで、重量が最大198ポンド（約90kg）であり、長距離監視が可能です。このシステムは、大型固定翼機による運用で特に効果を発揮します。

MX-25

MX-25は有人・無人の航空機から長時間の監視・偵察任務に適しており、幅広い用途に対応します。

技術的特長

ウェスカムのMXシリーズは、設置や統合が簡便で、外付けの機器を必要とせず、スペースや重量の要求を最小化しています。また、長距離の監視に適したデザインが施されており、最新のセンサー技術や大口径レンズが使用されています。さらに、内蔵された慣性計測装置（IMU）により、高い精度での地理的な位置特定が可能となっています。

顧客と市場

ウェスカムは、世界中の多くの軍や機関に製品を提供しています。顧客にはトルコのバイラクタルTB2、フランスの空中消火機関、オーストラリア連邦警察、カナダ国防省などが含まれます。また、アメリカの軍や諸機関も同様にウェスカムのシステムを使用しています。これにより、同社は国際的な市場で高い評価を得ています。

まとめ

L3ハリス・ウェスカムは、イメージングシステムにおける技術革新と信頼性の高いサービスを提供するリーダーとして、今後も多くの業界とパートナーシップを築きながら、発展し続けることでしょう。

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