LINDBERG I

LINDBERGのデビューアルバム『LINDBERG I』：初期LINDBERGの魅力が凝縮された1枚

1989年4月25日、日本の音楽シーンに新たな旋風を巻き起こすべく、LINDBERGのデビューアルバム『LINDBERG I』が、徳間ジャパンコミュニケーションズより発売されました。彼らのデビューシングル『ROUTE 246』と同時発売された本作は、後の大ブレイクへと繋がる彼らの初期段階における音楽性を鮮やかに描き出しています。

豪華作家陣とメンバーの融合：多様な楽曲群

このアルバムにおいて特筆すべき点は、外部ミュージシャンからの楽曲提供が積極的に行われた点です。ZIGGYの森重樹一氏や、LAUGHIN' NOSE|LAUGHIN'_NOSEのPON&NAOKI氏、そして元筋肉少女帯の三柴江戸蔵氏といった、当時既に高い評価を得ていたミュージシャンたちが、LINDBERGのデビューを彩る楽曲を提供しています。

一方、メンバー自身の楽曲制作も重要な役割を担っています。アルバム全体に占める割合こそ多くはありませんが、4、6、8、11曲目といった楽曲において、メンバーによるアレンジや作曲が施され、彼らの独自の音楽性が表現されています。特に、渡瀬マキ氏による作詞が初めてとなる11曲目の『MINE』は、彼女自身のアイドル時代からの楽曲であり、LINDBERGとしての活動においても長く歌い継がれた、象徴的な楽曲と言えるでしょう。4、5、6、8、10曲目などは、LINDBERG自身によるアレンジが加えられ、彼らの初期段階における音楽的探求が見て取れます。

渋谷の街並みを背景に：ジャケット写真とブックレット

アルバムのジャケット写真は、渋谷「Take Off 7」でのライブ終了直後、渋谷公園通りのホテル前で撮影されました。この写真は、彼らのデビュー当時の熱気をそのまま閉じ込めたかのような、躍動感あふれる一枚となっています。また、ブックレットには、渡瀬マキ氏の本名である渡瀬麻紀名義で書かれたコメントが掲載されており、当時の彼女たちの思いや、制作にかける情熱が感じられます。

代表曲を含む充実のトラックリスト

アルバムには、デビューシングル『ROUTE 246』をはじめ、『今すぐKiss Me』のカップリング曲である『STEP IN NOW』、そして『ROUTE 246』のカップリング曲『BLUE AFTER BLUE』など、初期LINDBERGを代表する楽曲が多数収録されています。さらに、『25時のSTRANGER』『SHALL WE DANCE?』『違う街、同じ月』『BAD IN BED』『CRAZY DIAMOND』『TAKE ME HIGH』『A HARD DAYS NIGHT』『EPILOGUE〜SILENT DE JAVE〜』といった、バラエティ豊かな楽曲群が、彼らの音楽的可能性を示唆しています。これらの楽曲は、それぞれの個性と魅力を放ちながら、アルバム全体を統一感のある作品としてまとめています。

まとめ：LINDBERGの出発点にして、彼らの魅力が凝縮された作品

『LINDBERG I』は、単なるデビューアルバムという枠を超え、初期LINDBERGの音楽的探求と、彼らの才能が凝縮された、まさに記念碑的な作品と言えるでしょう。外部作家陣の協力を得ながらも、独自の音楽性を確立しようとする彼らの姿勢、そして、今後の大ブレイクへと繋がる彼らの潜在能力は、このアルバム全体に強く感じられます。この作品から、後のLINDBERGの成功への道筋が見えてくる、そんな印象を受ける一枚です。このアルバムを聴けば、彼らの音楽的ルーツに触れ、初期LINDBERGの魅力を余すことなく堪能できます。そして、彼らの長く続くキャリアの、まさに始まりを垣間見ることができるでしょう。

もう一度検索