LINDBERG X

LINDBERG X：10枚目のオリジナルアルバム

1997年6月18日、テイチクのインペリアルレコードからLINDBERGの10枚目のオリジナルアルバム『LINDBERG X』がリリースされました。このアルバムは、同年の4月、5月と立て続けにリリースされたシングル3部作の集大成として注目を集めました。

先行シングルとして4月に『明日は明日の風が吹く』、5月に『Sugar Free』がリリースされており、この『LINDBERG X』はその完結編という位置づけです。アルバムリリースまでの3ヶ月連続シングルリリースという攻めの姿勢は、バンドの勢いと自信を示すものだったと言えるでしょう。

アルバム制作においては、それまでの作品と変化が見られます。前作まではプロデューサーの月光恵亮氏が井上龍仁名義で編曲にクレジットされていましたが、本作からは月光恵亮名義に変更されています。この変更がアルバムのサウンドにどのような影響を与えたのかは、興味深い点です。

楽曲面では、作詞は渡瀬マキが全曲を担当、作曲は小柳昌法、平川達也、川添智久と複数の作曲家が参加し、多様なサウンドが展開されています。編曲はLINDBERG自身と神長弘一、月光恵亮が担当し、バンドの個性を最大限に活かしたアレンジが施されています。

収録されている12曲の中には、先行シングルとしてリリースされ人気を博した楽曲も含まれます。『Sugar Free』は29枚目のシングルとしてNHK『ポップジャム』のエンディングテーマにも起用され、大きな話題を呼びました。『明日は明日の風が吹く』は28枚目のシングルとしてロッテトッポのCMソングに起用され、多くの人々に親しまれました。さらに、27枚目のシングルである『YAH! YAH! YAH!』も収録されています。これらのシングル曲に加え、アルバムのために書き下ろされた新曲も収録されており、バラエティに富んだ内容となっています。

オリコンチャートでは4位を獲得し、商業的な成功も収めました。これは、バンドの人気を示すだけでなく、アルバムクオリティの高さを示す指標と言えるでしょう。

『LINDBERG X』は、3ヶ月連続シングルリリースという戦略的な展開、制作面での変化、そして多様な楽曲群と、様々な点で注目を集める作品です。シングル曲のヒットだけでなく、アルバム全体を通してLINDBERGの音楽性を堪能できる、充実した内容となっています。このアルバムは、彼らの音楽史において重要な位置を占める作品であり、LINDBERGファンのみならず、多くの音楽リスナーにとって聴き応えのある一枚と言えるでしょう。

収録曲は以下の通りです。

1. Monkey Girlの逆襲
2. Sugar Free
3. YAH! YAH! YAH!
4. あなたの気持ち
5. 水色の夏
6. Love is too late
7. ゆめ
8. ドーンとCry
9. 明日は明日の風が吹く
10. 懲りない恋
11. velvet
12. 悲しきTUFF-MAN

これらの楽曲は、それぞれ異なる魅力を持ち、アルバム全体に多様性を与えています。聴く人の心に様々な感情を呼び起こす、そんな力を持ったアルバムと言えるでしょう。

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