LISP (声優ユニット)

LISP：短命ながら輝きを放った声優ユニット

2010年7月から2011年7月までの約1年間、日本の声優界に彗星のごとく現れ、瞬く間に多くのファンを魅了した声優ユニット、LISP。その活動期間は短かったものの、彼女たちが残した足跡は、今も多くの人の記憶に鮮やかに刻まれています。

コンセプトは「超至近距離」

LISPは、「超至近距離声優ユニット」「毎日ファンとコミュニケーションする声優ユニット」を謳い文句に、ファンとの距離の近さを最大の特徴としていました。キャッチコピーである「キミとセツゾク。」は、その想いを端的に表すものと言えるでしょう。公式ファンクラブ「ふぁみりすぷ」も開設し、積極的にファンとの交流を図っていました。

個性豊かな3人のメンバー

LISPを構成する3人のメンバーは、それぞれ異なる魅力を持っていました。

阿澄佳奈：福岡県出身、ニックネームは「みーちゃん」。オレンジがテーマカラー。
片岡あづさ（現：榎あづさ）：千葉県出身、ニックネームは「あづっち」。ピンクがテーマカラー。
* 原紗友里：東京都出身、ニックネームは「さゆさゆ」。白がテーマカラー。

グループの設定上、年齢は非公表とされていました。彼女たちの仲の良さは、数々のエピソードからも伺い知ることができ、その親密な関係性はLISPの魅力の一つでした。ニックネームは、当初メンバーで話し合って決める予定だったもののまとまらず、くじ引きで決定したというエピソードも残っています。結成後には3人とも末っ子であることが判明するなど、意外な共通点も見つかりました。

「LISP」というユニット名の由来

ユニット名「LISP」の由来は、「舌ったらず」「未発達な」「人工知能のプログラミング言語」という多様な意味合いを持っています。これは、不器用ながらも一生懸命努力し、ファンと一緒に成長していきたい、そして常にファンにとって身近な存在でありたいという彼女たちの強い想いを反映したものです。

積極的な活動と惜しまれる活動休止

LISPは、公式サイトやTwitterの開設、ライブイベント開催、配信限定シングルやCDシングルのリリース、写真集の発売など、精力的な活動を展開しました。特に、2010年9月に行われた無料イベント「DIVE II LISP SUMMIT 〜はじまりすぷ〜」は、当初1,000人の予定が応募殺到により1,700人のスタンディング形式に変更されるほどの盛況ぶりでした。

ニコニコ生放送で毎月配信されていた番組『部屋とパジャマとLISP』も人気を博していましたが、東日本大震災の影響で一時休止した後、再開されることはありませんでした。2011年5月には阿澄佳奈の体調不良による番組欠席もありました。

そして2011年6月、公式ウェブサイトとTwitterにて、7月末での活動休止が発表されました。最後のライブ『DIVEⅡ LISP LIVE TOUR 2011 ～おまつりすぷ～』は、SHIBUYA-AXで開催されました。活動休止後も、メンバーは『プリティーリズム・オーロラドリーム』への出演を継続し、劇中ユニット「MARs」として活動しました。

LISPの活動は短期間に終わってしまいましたが、彼女たちが残した作品や、ファンとの交流、そして彼女たちのひたむきな姿は、多くの人の心に深く刻まれたことは間違いありません。その存在は、声優ユニット史に小さな輝きとして永遠に残り続けるでしょう。

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