LOVE of FINERY

LOVE of FINERY：郷ひろみの挑戦と洗練

1987年4月1日、日本のポップミュージックシーンに新たな輝きを放つ一枚が誕生しました。郷ひろみ24枚目のオリジナルアルバム『LOVE of FINERY』（ラヴ・オブ・ファイネリー）です。前作『ベスト・コレクション』から約11ヶ月、オリジナルアルバムとしては前作『LABYRINTH』から1年6ヶ月ぶりのリリースとなります。このアルバムは、単なる新作という枠を超え、郷ひろみ自身のアーティストとしての探求心と音楽的才能を余すことなく示した、重要な作品と言えるでしょう。

最大の注目点は、全編英語詞で構成されている点です。これにより、郷ひろみのボーカルの魅力が、日本語詞とは異なるニュアンスで際立ち、聴く者の耳を鮮やかに捉えます。さらに、このアルバムでは郷ひろみ自身が全曲の作曲を担当。2作前の『ALLUSION』で全作詞を手掛けた経験を活かし、今回は作曲家としての才能を惜しみなく発揮しています。トータルプロデュースも自身が行い、アーティストとしての総合的な力量を見せつける作品となっています。

アルバムに収録されている9曲は、どれも聴き応え十分です。57thシングルのカップリング曲「FORBIDDEN FRUIT」をはじめ、「YOUR LOVE GOT A HOLD ON ME」、「YOU'LL BE BACK」、「PRETTY LIES」、「ALL DRESSED UP」、「I'M A BELIEVER」、「DOCTOR L―O―V―E」、「TONIGHT IS THE RIGHT NIGHT」、「YOU ARE EVERYTHING」と、バラエティに富んだ楽曲が並びます。それぞれの楽曲で、郷ひろみの繊細な表現力と、力強い歌声が堪能できます。

作詞陣も豪華です。リンダ・ヘンリックや高尾のぞみといった才能豊かな作詞家たちが、英語詞の世界観を彩ります。編曲は唐木裕史が担当し、郷ひろみの楽曲に華やかさと深みを与えています。また、郷ひろみ自身がコーラスアレンジにも携わっており、楽曲全体の完成度を高めています。

『LOVE of FINERY』は、単なる英語詞のアルバムというだけでなく、郷ひろみというアーティストの多様な才能と、音楽に対する真摯な姿勢が凝縮された作品です。日本語詞とは異なる表現方法で、彼のボーカルの魅力がより際立ち、新たな魅力を発見できるでしょう。その洗練されたサウンドと、情熱的な歌声は、当時、そして現在においても多くのリスナーを魅了し続けています。このアルバムは、郷ひろみの音楽遍歴において、重要な転換期を象徴する作品として、高く評価されています。日本語詞のアルバムとはまた違った魅力を体験したい、郷ひろみの音楽を深く知りたいという方には特におすすめしたいアルバムです。

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