ALLUSION

郷ひろみ『ALLUSION』：80年代ポップスの金字塔

1984年12月1日、CBS・ソニーよりリリースされた郷ひろみ22枚目のオリジナルアルバム『ALLUSION』。前作『黄金郷I〜2億4千万の瞳〜』から約6ヶ月、オリジナルアルバムとしては前作『TAILORED SONG』から約1年ぶりの作品となります。本作における最大の特徴は、それまでの全作品でトータルプロデュースを担当してきた酒井政利氏がエグゼクティブプロデューサーに回り、郷ひろみ本人がヘンリー浜口名義でトータルプロデュースを務めた点です。さらに、全曲の作詞を手掛け、一部楽曲の作曲にも参加するなど、アーティストとしての強い意志が感じられます。

楽曲の魅力：多様なサウンドと郷ひろみの表現力

アルバムは全10曲を収録。シングルカットされた楽曲も複数含まれ、郷ひろみの幅広い音楽性を示す作品となっています。

まず注目すべきは、リードトラック「M 9.0」。タイトルの読みは「マグニチュード・ナイン」で、ヘンリー浜口による作詞作曲、大村雅朗による編曲という豪華布陣で制作された楽曲は、アルバム全体のトーンを鮮やかに彩ります。

その後シングルカットされた「CHARISMA」は、井上大輔作曲によるダンサブルなナンバー。郷ひろみの魅力を最大限に引き出した、本作を代表する1曲と言えるでしょう。

また、52ndシングル両A面曲の1曲である「どこまでアバンチュール」や、53rdシングルの表題曲「愛のエンプティーペイジ」、そしてカップリング曲として収録された「美音 LANGUAGE」など、アルバムには数々のヒットシングルが収録されており、それぞれの楽曲が持つ個性と魅力が際立っています。

さらに、54thシングル両A面曲のもう1曲である「女してる？」、同じくカップリング曲として収録された「女してる？」は、大沢誉志幸作曲による楽曲で、郷ひろみの歌唱力と表現力が光る、聴き応えのある楽曲です。

そして、ジョージ・マイケル作曲の「CARELESS WHISPER」の日本語詞バージョンも収録。洋楽カバーながら、ヘンリー浜口による日本語詞によって、日本のリスナーにも親しみやすい楽曲に仕上がっています。

参加ミュージシャン：豪華メンバーが織りなすサウンド

『ALLUSION』には、数多くの実力派ミュージシャンが参加。大村雅朗によるキーボード演奏、松武秀樹や船山基紀によるシンセサイザー演奏、そして島村英二、高水健司、松原正樹、鳥山雄司といったベテランミュージシャンによる演奏が、楽曲に深みと華やかさを与えています。

コーラスアレンジは宮原透が担当。郷ひろみのボーカルと相まって、楽曲に奥行きと広がりを与え、より洗練されたサウンドを生み出しています。

まとめ：時代を超えて愛される名盤

『ALLUSION』は、郷ひろみ自身のプロデュース能力の高さを示すと同時に、80年代の音楽シーンを代表する名盤として高い評価を受けています。洗練されたサウンド、魅力的な楽曲、そして郷ひろみの圧倒的な歌唱力。これらの要素が完璧に融合した本作は、多くの音楽ファンを魅了し続けています。時代を超えて聴き継がれる、まさに不朽の名作と言えるでしょう。

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