LOVERS (映画)

映画『LOVERS』の概要とあらすじ

『LOVERS』（ラヴァーズ、原題：十面埋伏）は、2004年に公開された中国の武侠映画で、名匠・張芸謀（チャン・イーモウ）が監督を務めました。この映画は、彼の代表作『HERO』に続く作品で、日本では2004年8月28日に公開されました。また、第57回カンヌ国際映画祭では特別招待作品として披露され、アカデミー賞の撮影賞にもノミネートされました。

映画のビジュアルは特に印象的で、どこを切り取っても芸術的な美しさが融合しています。特に、映画の終盤で展開される雪原でのクライマックスシーンは記憶に残りますが、当初は一面の花畑で撮影される予定でした。しかし、ウクライナでの撮影がうまくいかず、季節外れの大雪が発生したため、急遽雪原という予期せぬ場所での撮影に変更されました。このような背景から生まれた美しい映像は、観客に強い印象を与えます。

また、キャストに関するトピックも興味深いです。当初、飛刀門の女首領である大姐役には、梅艶芳（アニタ・ムイ）が出演予定でしたが、彼女が40歳で亡くなったことにより、この役は幻となりました。代役を立てることはできず、映画の最後にはアニタ・ムイへの感謝の意を表す献辞が捧げられています。

あらすじ

物語は、唐王朝が衰退を迎えていた9世紀中頃の中国を舞台にしています。この時期、政治の腐敗により反政府組織が各地に現れ、社会は混乱状態に陥っていました。主人公である捕吏・劉（リウ）は、反乱組織の一つである飛刀門を討伐する命を受けます。彼は、美しい盲目の踊り子・小妹（シャオメイ）が反乱組織のリーダーの娘であると推測し、彼女を捕えようとします。

小妹は、組織の情報を一切口にせず、劉は彼女が組織の一員であると固く信じ込むようになります。そこで、劉は同僚の捕吏・金（ジン）に小妹を救い出させ、逃亡の手助けを指示します。金は小妹を牢から救出し、2人は逃避行の旅を始めます。これに続いて、劉も彼らを追う形で出発します。

この物語は、3人の人間の間に様々な愛情や策略が交錯し、それぞれの想いが複雑に絡み合う様子が描かれています。飛刀門の目的、劉の務め、そして小妹の運命が交わる壮絶な展開が待ち受けており、観る者を引き込む要素がたくさん詰まっています。

この映画は、武侠映画としての見どころだけでなく、人間関係の複雑さや感情の深さも如実に表現されており、ストーリーが進むにつれて、三者の運命がどのように交錯していくのかが非常に興味深いものになっています。

キャストとスタッフ

• - 監督：張芸謀（チャン・イーモウ）
• - 製作：江志強（ビル・コン）、張芸謀（チャン・イーモウ）
• - 脚本：李馮（リー・フェン）、張芸謀（チャン・イーモウ）、王斌（ワン・ピン）
• - 撮影：趙小丁（チャオ・シャオティン）
• - 音楽：梅林茂

このように、『LOVERS』は美しい映像と深い物語が見事に融合した作品であり、観る者に深い感動を与えることでしょう。

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