張芸謀

張芸謀（チャン・イーモウ）について

張芸謀（チャン・イーモウ、1950年4月2日生まれ）は、中国を代表する映画監督であり、「第五世代」の映画作家として世界的に知られています。彼は監督だけでなく、撮影監督や俳優としてもの経験を持ち、多くの国際的な賞を受賞しています。

来歴

張芸謀は陝西省の西安にて誕生しました。文化大革命の影響で、早い段階から厳しい労働を経験し、その後、北京電影学院の撮影学科に入学を果たします。1982年に卒業後は西安映画製作所に配属され、名監督チェン・カイコーの作品に関わりながらキャリアを築きました。彼の映画監督デビュー作は1987年の「紅いコーリャン」であり、これは第38回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞するなど、大きな評価を得ました。

その後も彼は様々な作品を発表し続け、1990年の「菊豆」はアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、1992年の「秋菊の物語」では金獅子賞を受賞するなど、数々の国際的な映画祭で成功を収めました。1994年に公開された「活きる」は、文化大革命を背景にした作品であり、審査員グランプリを受賞しましたが、政治的理由から中国では上映が禁止されました。

彼は1990年代後半に入ると、ワイヤーアクションや特殊効果を駆使した武侠映画を監督し、特に「HERO」（2002年）や「LOVERS」（2004年）はその代表作とされています。2008年には北京オリンピックの開会式および閉会式の総監督を務め、その演出は国際的に多くの議論を呼びました。

作風とテーマ

張芸謀の作品は、多様なテーマとスタイルが特徴です。彼の初期の作品『紅いコーリャン』『紅夢』『上海ルージュ』は、「紅三部作」と称され、色彩を通じて文化や感情を表現しています。また『秋菊の物語』や『活きる』などは、リアルな物語を展開し、観客に深いメッセージを伝えています。

彼の作品には「幸せ三部作」と呼ばれる『あの子を探して』『初恋のきた道』『至福のとき』もあり、人生の喜びや悲しみを描いています。特に、彼は自身の作品に多くの女性俳優を起用しており、コン・リーやチャン・ツィイーなど、数多くの女優をスターへと育てています。彼女たちは「謀女郎」と呼ばれ、彼の作品がもたらす特有の魅力の一部となっています。

近年の活動

近年では、2000年代から2020年代にかけて多くの新作を監督しています。2022年の北京オリンピックの全ての開会式および閉会式の総監督を務めたことで、再び国際的な舞台で注目を集めました。また、2023年には第36回東京国際映画祭で特別功労賞を受賞し、2024年にはアジア・フィルム・アワードにて生涯功労賞を受賞することが予定されています。

まとめ

張芸謀は、彼の独自のスタイルと深いテーマ性で、現代中国映画に多大な影響を与え続けています。彼の作品は、国内外の映画界で高く評価されており、これからの制作にも期待が寄せられています。

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