LRE

LRE（レーザ反射装置）について

LRE（Laser Reflecting Equipment）は、2001年に日本の宇宙開発事業団（NASDA）によって打ち上げられたレーザー測距装置です。この装置は、H-IIAロケット1号機の軌道計測に使用され、その役割は非常に重要でした。

構造と性能

LREは直径51センチメートルの球形をしており、重量は87キログラムです。衛星の表面にはコーナー・キューブ・リフレクタが126個、さらに緩やかな曲面の鏡が24枚配置されていました。LREは、性能確認用ペイロード2型（VEP-2, Vehicle Evaluation Payload-2）に搭載されており、打ち上げから約40分後にばねの力で分離されて、静止トランスファ軌道に投入されました。

LREの観測は、国際レーザー測距事業（ILRS）に参加している通信総合研究所やフランスのコートダジュール観測所と共同で行われました。これらの機関が得たデータをもとに、NASDAはLREの軌道を決定し評価しました。さらに、VEP-2にはドップラ測距装置（DRE, Doppler Ranging Equipment）も装備されていましたが、LREのデータの方がより高精度でした。

打ち上げと観測の結果

LREは2001年8月29日、種子島宇宙センターからH-IIAロケット1号機により打ち上げられました。打ち上げ後約40分経過した時点で、VEP-2から無事に分離され、静止トランスファ軌道に投入されました。しかし、LREの観測が実現しなかったとの情報が2001年10月のNASDAのプレスリリースで示されました。事前の資料では、レーザ側の距離計測に約3週間程度を見込んでいるとされていたため、計画されていたLREの観測は何らかの理由で失敗したと考えられます。

ただし、ドイツの応用物理学研究所（FGAN）による電波レーダー測定と、美星スペースガードセンターの光学観測が成功裏に行われたことで、LREの軌道に関するデータが収集されました。これにより、LREの軌道データが確保されたのです。

参考文献と関連項目

LREの詳細な情報を知りたい方は、関連文献や資料を参照することをお勧めします。特に、LREの機体の写真などはフォトギャラリーで見ることができます。他にも、関連する宇宙開発のプロジェクトなどを探ってみると、新たな発見があるかもしれません。

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