キログラム

キログラム (kg)

キログラム（仏: kilogramme、英: kilogram、記号: kg）は、国際単位系（SI）における質量の基本単位です。他のSI基本単位とは違い、キログラムにのみ接頭語「k」がつくことが特徴です。さらに、現行の定義はプランク定数に基づいています。

定義の変遷

キログラムの定義は、2018年11月16日に改訂され、2019年5月20日から施行されました。この改定により、129年間使われてきた国際キログラム原器（IPK）が廃止され、より安定した基準が求められるようになりました。

最初の定義では、キログラムは「1リットルの水の質量」とされていましたが、水の温度や圧力に依存する特性があるため、1819年には「最大密度における蒸留水1立方デシメートルの質量」に変更されました。振動数に基づく新たな定義へ移行する前に、オリジナルのキログラム原器が製作され、その後1889年には国際キログラム原器が認定されました。これはプラチナとイリジウムの合金製で、フランスの国際度量衡局に保管されています。

このIPKは国際的な標準に用いられ、各国に複製が配布されました。しかし、原器の質量が経年変化により不安定であったため、新たな定義が求められるようになったのです。

プランク定数による新定義

1970年代から質量の新しい定義が検討され、2011年にはプランク定数 h に基づく定義が提案されました。プランク定数は、質量とエネルギーの関係を示す重要な物理定数であり、この定義によりキログラムはより普遍的な物理量に基づくものとなりました。2018年において、このプランク定数値は6.62606957×10^-34 Jsと定義されています。

この新定義は、光子のエネルギーと質量の関係式 E = mc^2 を基にし、特定の振動数を持つ光のエネルギーと等しい質量が1キログラムとされる仕組みです。これにより、キログラムの定義は、固定された物質に依存せず、安定性が向上しました。

グラムとの関係

グラムはキログラムの1000分の1（つまり10^-3 kg）と定義されますが、キログラムがSIの基本単位として位置づけられている理由は、計量法の歴史に根ざしています。フランス革命後、質量単位の標準化が進められ、グラムが基本単位とされたことでキログラムがその拡張形として運用されています。現在のキログラムはSI接頭語に基づく単位であり、他の倍量単位においてはグラムが基準とされています。

近年の動向

キログラムの定義変更後、国際計量標準における研究や技術は進化を続けています。日本では、国際キログラム原器（No.6）が国内基準として利用されており、質量の計測の精度向上が求められています。こうした取り組みを通じて、より正確な計量が可能となり、科学や産業界での活用が期待されています。

以上のように、キログラムは単位の定義や基準が改定されることにより、より安定し、正確な理解が求められるようになりました。

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