LS愛ちゃん

LS愛ちゃん

『LS愛ちゃん』は、永井豪とダイナミックプロ（安田タツ夫：画）によって描かれた日本の漫画作品です。この作品は、学研の学習雑誌『6年の科学』（1983年～1988年）と『5年の科学』（1984年1月～3月）に掲載され、当時普及し始めたマイコンをテーマにした内容で人気を博しました。

概要

物語の中心となるのは、ヒロインである人型ロボットのLS愛ちゃん。彼女は、小学校のマイコン部に所属する今宙太（こん ちゅうた）に対して、マイコンの基本的な仕組みやプログラミングの知識をやさしく教えていきます。掲載誌の特性上、ストーリーは毎年4月号から始まり、翌年の3月号で完結するという形式が取られていました。しかし、設定やストーリーは掲載年度によって異なり、変化に富んだ展開が読者を楽しませました。

初期の1983年から翌年2月にかけての掲載では、主人公は宙太ではなく花田一平という少年でした。この時期の物語では、一平がマイコンの内部に入り込み、バグを倒すという冒険が繰り広げられました。

『LS愛ちゃん』は、以前連載されていた『レッツゴーランちゃん』のリニューアル作品という位置づけでした。『レッツゴーランちゃん』は、言葉を話す猫・ランがマイコンを教えるという内容でした。作品が引き継がれた際、愛ちゃんの誕生には衝撃的な裏話がありました。それは、「ランが事故で亡くなった後、その記憶をロボットの体に移し替えて生まれ変わった」というものでした。実際、第1回には愛ちゃんが死んだランを見て「きゃーっ、わたしが死んでる！」と叫ぶシーンも存在しました。しかし、後の年度では設定が変更され、「マイコンを広めるために、科学者の手久野（てくの）博士によって生み出された」という設定になりました。

連載当時は、パソコンが徐々に一般家庭にも普及し始めた時期でした。そのため、作中には簡単な自作ゲームのプログラムが頻繁に掲載され、読者は実際にプログラミングを体験することができました。これらのプログラムは、主にPC-9800シリーズ向けに書かれていましたが、後にMSXやファミリーベーシックなど、他の機種でも動作するように機種別の修正プログラムも掲載されました。

作品にまつわる企画

『LS愛ちゃん』は、かつて掲載されていた『チックンタックン』とは異なり、アニメ化などのメディアミックスは行われませんでした。しかし、1986年には読者サービス企画として、オリジナルテーマ曲『恋のドキドキパーティ（LS愛ちゃんのテーマ）』とカップリング曲『お願いスタンプ仮面』が収録されたカセットテープが制作され、希望者には350円で販売されました。この歌を担当したのは、元タレントで平野謙夫人の秋本理央でした。

年度によっては、毎月CGで描かれた『科学』の表紙に愛ちゃんが登場したり、毎月抽選によるプレゼントや特典のある『LS愛ちゃん会員』を募集するなど、『科学』誌面を代表するキャラクターとして活躍しました。

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