La Jeunesse!

ロマンチック・レビュー『La Jeunesse!』

1996年に宝塚歌劇団雪組によって上演されたロマンチック・レビュー『La Jeunesse!』は、青春をテーマにした作品です。このレビューは多彩な演出と音楽で構成されており、宝塚らしい華やかさを持っています。特に、本作は高嶺ふぶきの雪組トップ就任披露公演としても注目されました。

上演概要

『La Jeunesse!』は、フランス語で「青春」という意味を持つタイトルからもテーマが伝わってきます。全24場で構成され、併演作品として『虹のナターシャ』も同時に上演されました。初演は1996年8月9日から9月16日まで宝塚大劇場で行われ、その後東京宝塚劇場でも12月2日から12月26日まで上演されました。さらに、翌年の1997年2月1日から18日には中日劇場にて再演され、広い観客に親しまれました。

演出の特徴

本作の作・演出は岡田敬二が担当し、彼の演出センスが光る構成となっています。特に、第一章「セピア色の写真」では、アルバムをめくる青年の姿が描かれ、過去の恋愛を思い出させるような情緒的な演出が施されています。この章では轟悠や和央ようかなどの実力派キャストが登場し、観客を物語に引き込んでいきます。

また、第二章「イエスタディ・ワンス・モア」では1960年代のティーンエイジャーたちの青春を描写し、キャラクターたちの心情が精緻に表現され、観客は共感を覚えます。特に、リチャード役を演じた高嶺ふぶきとシンディ役の花總まりのデュエットは心温まる瞬間を提供します。

音楽と振付

音楽は多彩なアーティストによって担われ、ウォーリー・ハーパーや甲斐正人の楽曲が使用されています。特に第三章「ヒート・ウェーブ」では、トロピカルな雰囲気の中、陽気な大合唱が展開され、観客を楽しませます。振付は羽山紀代美やニキ・ハリスといった振付師が手がけ、ダンスパートが作品を一層引き立てています。

さらに、第五章「ディーン」では、青春の象徴であるジェームス・ディーンが取り上げられ、彼の影響力とその影響を受けた若者たちへの敬意を表しています。このように、音楽と振付が合わさり、ストーリーに深みを与えています。

キャストの魅力

このレビューには多くの魅力的なキャストが出演しており、それぞれが個性を発揮しています。高嶺ふぶきは主人公達の多様な役を務め、華やかさと技術を持ったパフォーマンスを見せました。他にも、花總まり、安蘭けい、和央ようかなどもヒロインや脇役を演じ、作品を見ごたえあるものにしています。

総括

『La Jeunesse!』は青春をテーマに、音楽とダンスが融合した宝塚歌劇団ならではのレビュー作品です。岡田敬二の確かな演出と豊かな音楽、優れたキャストによるパフォーマンスが集結し、観客に多くの感動と思い出を届けました。宝塚歌劇団の魅力を堪能できる、まさに特別な公演でした。

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