La alteración

アルバム『la alteración』の詳細

『la alteración』（ラ・アルテラシオン）は、日本の人気歌手・中森明菜による16枚目のスタジオ・アルバムで、1995年7月21日にMCAビクターからリリースされました。この作品は、約1年8か月ぶりのアルバムであり、タイトルの「la alteración」はスペイン語で「変化」を意味します。アルバムのレコーディングは、VICTOR STUDIOやMusic Inn、チェリーアイランドスタジオなどで行われ、プロデューサーとして中森自身が携わりました。

制作の背景

本作では、これまでのように中森が楽曲制作に深く関与するのではなく、彼女が信頼を寄せるスタッフに制作を委ねる新たな試みがなされました。中森は、自分のスタッフがどのような楽曲や歌唱を求めているのかに興味を持ち、スタッフからの要望に応えようとしました。このスタンスは、中森にとって新しい挑戦でもあり、歌唱においても苦労しながらも懸命に表現しました。

アルバムの特徴

アルバムジャケットはモロッコで撮影され、一部のライナーノーツには未確認飛行物体の写真が掲載され、視覚的にも印象的な作品となっています。音楽のスタイルは多様であり、特にヘヴィメタル調の「だからなんなの」という曲に関しては、中森があまり得意としないジャンルとされていました。そのため、タイトルには彼女の口癖が反映されており、スタッフが語録から選んだものです。また、本作はサウンドトラック的な聴き方を狙い、シンセサイザー音や効果音の工夫も施されています。

音楽と評価

アルバムの構成について、音楽ガイド誌では壮大な導入から始まり、多様なリズムの楽曲が続く中で、2曲のバラードを挟み、最後はニューヨークの雑踏音でエンディングを迎えると評されました。リリース後、翌月の12月12日からはアルバムを引っ提げてのスペシャルライブ「中森明菜 TRUE LIVE」が開催されました。

シングルとしては、「原始、女は太陽だった」が本作のリードシングルとして1995年6月21日に発売されました。この楽曲は本作内で別のテイクやリミックスとしても収録されています。

本作に対する批評も多く、『CDジャーナル』では「すべての歌が明菜の世界で展開され、聴き手はスリルを感じる」と評されました。また、『WHAT's IN?』の評論では、中森の生きざまと楽曲の関係性について触れつつ、彼女の歌唱が持つ深い力を感じさせる作品であるとされています。

チャート成績と再発売

『la alteración』はオリコンのアルバムチャートで初登場7位を記録し、計8週にわたってランクインしました。2002年12月には再発盤『la alteración+4』がユニバーサルJからリリースされ、もとのアルバムに加え、数曲のシングル曲も収録されています。

このように『la alteración』は、中森明菜の音楽的変化を示す重要なアルバムです。

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