La-9 (航空機)
La-9 戦闘機
La-9（ロシア語: Ла-9、音読み:ラー・ヂェーヴャチ）は、ソ連で開発された乗員1名のレシプロ戦闘機です。この機体は1946年に初飛行し、戦後の航空機設計の変革を象徴する存在となりました。
概要
La-9は、ラーヴォチュキン設計局が手掛けた一連の戦闘機の最終型にあたる機体です。従来のモデル（LaGG-1やLa-7）の混合素材から、全金属製への大幅な改設計が行われました。この改良により、剛性が向上し、機体の耐久性も増しました。さらに、操縦席には視界を考慮した風防が採用され、操縦性能の向上にも寄与しています。
La-9の戦力化は第二次世界大戦には間に合わなかったものの、戦後のソ連軍にとってはYak-9Pと並び、主力戦闘機として活躍しました。しかし、1947年には更に進化したジェット戦闘機MiG-15が初飛行し、レシプロ機の時代は終焉を迎えることになります。この背景から、La-9の配備数は限定的となり、主に戦後の冷戦期において使用されました。
La-9の発展型
La-9は後にいくつかのバリエーションが生まれました。1947年に初飛行したLa-9V（UTI La-9とも呼ばれる）は、複座の練習機として利用されました。また同年には、2基のジェットエンジンを搭載したLa-9RDも開発され、さらなる性能向上を果たしました。加えて、La-11（ラー・アヂーンナツァチ）は、La-9の長距離型であり、翼端に燃料タンクを取り付け可能な設計が施されていました。
これらの機体は、朝鮮戦争にも投入され、中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国の空軍において重要な役割を果たしました。La-9は主にルーマニアに輸出され、La-11はインドネシアなどにも展開されました。また、1950年代には択捉島において、ソ連軍のLa-11が配備されていた記録があります。
主なスペック
- - 初飛行: 1946年
- - 翼幅: 9.80 m
- - 全長: 8.625 m
- - 全高: 3.56 m
- - 翼面積: 17.59 m²
- - 空虚重量: 2,638 kg
- - 通常離陸重量: 3,425 kg
- - 最大離陸重量: 3,676 kg
- - 最大燃料搭載量: 825 kg
- - 発動機: シュヴェツォーフ設計局製 ASh-82FN
- - 出力: 1,850 馬力
- - 最高速度（地表高度）: 640 km/h
- - 最高速度: 690 km/h
- - 実用航続距離: 1,735 km
- - 上昇率: 1,064 m/min
- - 実用飛行上限高度: 10,800 m
- - 武装: 23 mm機銃NS-23 ×4
運用者
La-9は、戦後の航空機デザインや性能向上の過程に多大な影響を与えた機体であり、歴史に名を刻む至宝といえるでしょう。
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