Lab色空間

Lab色空間：人間の視覚に合わせた色表現

Lab[色]]空間は、人間の色の知覚特性を反映した色空間で、明度]と[[色度(a, b)の3つの値で色を表現します。コンピュータグラフィックスや画像処理、印刷業界など、様々な分野で活用されています。代表的なものとして、CIELABとHunter Labの2種類が存在します。どちらもCIE XYZ色空間を基にしていますが、計算方法や特性に違いがあります。

CIELABとHunter Labの違い

CIELAB (CIE 1976 Lab) とHunter Lab (Hunter 1948 L, a, b) はどちらもLab色空間と呼ばれますが、計算式が異なり、結果として得られる値も異なります。CIELABは人間の視覚の非線形性をより正確にモデル化しており、知覚的均等性に優れているため、現在ではCIELABの使用が広く推奨されています。Hunter LabはCIELABより古いモデルであり、近似方法がやや古いため、既存のHunter Lab値との比較など特殊な用途以外では、CIELABが適しています。

特にCIELABの明度Lは、人間の明るさ感覚に近いため、カラーバランス調整やコントラスト調整に効果的に利用できます。また、色度aとbは、赤緑方向と黄青方向の色相を表し、これらを用いることで、より正確な色調整が可能です。

Lab色空間の利点

人間の視覚への適合性: RGBやCMYKはデバイス依存であるのに対し、Lab色空間は人間の視覚特性に近いため、より自然で正確な色表現が可能です。
知覚的均等性: 色の値の変化と人間の知覚する色の変化がほぼ比例するため、色の差を数値的に比較しやすくなっています。
広い色域: Lab色空間はRGBやCMYKよりも広い色域をカバーします。これにより、現実には存在しない色までも表現できるため、画像編集の際に様々な表現手法が可能です。ただし、その多くは物理的には再現できません。
デバイス非依存性: デバイス依存の色空間であるRGBやCMYKと異なり、Lab色空間はデバイス非依存です。そのため、異なる出力デバイス間での色の一貫性を保ちやすくなります。

Lab色空間の用途

Lab色空間は、様々な用途で使用されています。

画像編集: 写真やイラストのカラーバランス調整、コントラスト調整、色変換などに利用されます。Adobe Photoshopなどの画像編集ソフトでは、Labモードが広くサポートされています。
カラーマネジメント: 異なる出力デバイス間での色の一貫性を確保するためのカラーマネジメントシステムにおいて、Lab色空間は重要な役割を果たしています。
印刷: 印刷における色再現性の向上に貢献します。
科学研究: 色の知覚に関する研究などにも利用されています。

CIELAB (CIE 1976 Lab)

CIELABは、[国際照明委員会]が策定した、ほぼ完全な色空間です。人間の目に見えるすべての色を表現でき、機器固有モデルの基準としても利用できます。

*L: 明度:* 0(黒)から100(白)の範囲で表現され、人間の明るさ感覚とほぼ一致しています。
*a: 赤緑軸:* 負の値は緑、正の値は赤を表します。
*b: 黄青軸:** 負の値は青、正の値は黄を表します。

CIELABは3次元空間で表現されますが、視覚化のため2次元で表されることもあります。その場合、特定の明度で色立体を輪切りにした色度図として表現されます。

Hunter Lab

Hunter LabはCIELABより古いモデルですが、明度Lと色度a,bで色を表現する点ではCIELABと同様です。しかし、計算式が異なり、CIELABよりも知覚的均等性に劣るとされています。

他の色空間との変換

Lab色空間とRGBやCMYKなどのデバイス依存の色空間との変換は、必ず中間色空間を経由する必要があります。これはRGBやCMYKの値はデバイスに依存しており、デバイス特有の特性を考慮した変換が必要となるためです。一般的なワークフローとしては、まずRGBやCMYKをsRGBやAdobe RGBなどのデバイス非依存色空間に変換し、次にCIE XYZ色空間を経由してLab色空間へと変換します。

まとめ

Lab色空間は、人間の視覚特性に合わせた正確な色表現を可能にする重要な色空間です。特にCIELABは、その高い知覚的均等性から、画像処理やカラーマネジメントなどの様々な分野で広く利用されています。CIELABとHunter Labの違いを理解した上で、目的に合った色空間を選択することが重要です。

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