LaserWriter II NTX-J

LaserWriter II NTX-Jは、かつてアップルコンピュータ（現Apple）が販売していたモノクロレーザープリンターです。

概要

LaserWriter II NTX-Jは、米国で販売されていたLaserWriter II NTXを改良したモデルとして、1989年1月にアップルコンピュータ株式会社（当時）から発売されました。世界初の日本語PostScriptに対応したハイエンドページプリンターとして登場し、当時のDTP（Desk Top Publishing）業界に大きな影響を与えました。

主な特徴は以下の通りです。

CPU: 15.6672MHzのMC68020を採用し、高度な処理能力を実現していました。
プリンターエンジン: キヤノン製のエンジンを採用し、安定した印刷品質を提供していました。
日本語フォント: 細明朝、中ゴシック（リュウミンL-KL、中ゴシックBBB）を搭載し、日本語DTPに不可欠なフォント環境を整備していました。
解像度: 300dpiの高解像度印刷を実現し、美しい仕上がりを可能にしました。発売当時としては非常に高い解像度でした。
接続方式: LocalTalkをサポートし、当時のMacintosh環境との親和性が高く、DTPの現場で広く利用されました。また、Windows環境用のドライバーも提供されていました。
その他: SCSI接続の外付け40MBハードディスクが付属し、フォントデータなどを保存することができました。Apple純正のドライバーがMacintoshに標準添付されていました。

LaserWriter II NTX-Jは、その高い性能と日本語対応という特徴から、DTP黎明期の日本において非常に重要な役割を果たしました。LocalTalkが主流だった時代に、Macintoshと組み合わせて使用され、高品質な印刷物を作成するためのツールとして、多くのデザイナーや印刷業者に利用されました。また、Windows環境でも使用できたため、幅広いユーザーに支持されました。

LaserWriter II NTX-Jの登場は、DTPの普及を加速させ、印刷業界に大きな変革をもたらしました。その技術とデザインは、後のプリンター開発にも大きな影響を与えました。

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