Linux Professional Institute Certification

Linux Professional Institute Certification (LPIC) の概要

Linux Professional Institute Certification（LPIC）は、カナダに本拠を置く非営利団体であるLinux Professional Institute（LPI）が運営する世界最大のLinux技術者向けの認定資格です。LPICは、Linuxに特化した専門技術を証明するための国際的な標準として広く認識されており、ベンダーに依存しない中立的な資格であることが特徴です。

LPICは、日本国内では東京都に置かれるLPIの日本支部によって試験の運営が行われています。この支部は、試験実施の他にも、教育機関の支援や認定者の雇用を行うためのパートナー制度なども構築しています。これにより、LPICは日本国内でも利用しやすい資格として広がってきました。

認定者数と試験実施体制

2018年のデータを基にすると、世界中でLPICの試験を受けた人数は累計で60万人以上、日本国内でも20万人以上の受験者がいます。これにより、日本では全体の認定者の約30%がLPIC資格を保持しています。また、試験の問題作成には、国際的なボランティアによる業務内容分析などが取り入れられ、質の高い出題が行われています。

LPICの資格レベル

LPICは、レベル1からレベル3までの3段階の認定が用意されています。各レベルの認定試験は、英語や日本語など複数の言語で受験可能です。

• - レベル1: 基本的なLinuxの操作やシステム管理に関する知識を測る試験で、101試験と102試験の2つに合格することで認定されます。

• - レベル2: より高度なLinuxの応用技術、システムの管理やサーバ構築に関連する知識を問います。このレベルも2つの試験（201試験と202試験）に合格することで得られます。

• - レベル3: 最高難度の資格で、専門分野に特化した試験が含まれます。このレベルを取得するには、まずレベル2の認定を保持し、さらにレベル3のいずれかの試験（300試験、303試験、305試験、306試験）に合格する必要があります。

特にレベル3では、例えば「LPI-300 Mixed Environment」ではSambaを用いたファイルサーバやドメインコントローラに関する知識、また「LPI-303 Security」ではセキュリティ関連の知識が問われる内容となっており、専門分野における能力を証明することができます。

その他の認定試験

LPIC以外にも、LPIは初心者向けの「Linux Essentials」や、DevOpsの技術に特化した「LPI DevOps Tools Engineer」など、さまざまな認定試験を提供しています。これらはLinuxやオープンソースに対する理解を深めるための入門資格としても役立ちます。

試験の受験方法と有効期限

LPICの試験は、コンピュータベーステスト（CBT）として提供され、試験センターやオープンイベントで無理なく受験することが可能です。加えて、2020年からはオンラインで自宅受験も可能になりました。取得した認定の有効期限は5年間で、入門資格であるLinux Essentialsの認定は生涯有効です。

再受験の規則

不合格の場合、再受験には条件があり、2回目は最初の受験日から7日以上経過している必要があります。さらに、3回目以降は30日以上待つ必要があり、すでに合格している科目を再受験するには2年以上の間隔を置かなければなりません。

まとめ

LPICは、Linuxエンジニアリングの標準として、国際的に承認された資格です。日本支部による運営とサポートのもと、多くの技術者がこの資格を通じて知識を深め、キャリアアップに繋がるスキルを得ています。Linux技術者としてのステータスを認証するために、LPICは今後も重要な役割を果たしていくでしょう。

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