麻倉未稀の通算7作目にあたるオリジナル・
アルバム『Love Again』は、
1985年4月21日にCRYSTAL BIRD/
キングレコードより発売されました。この
アルバムは、当時彼女の大ヒット曲となった
シングル「
ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」(11th
シングル)と「ハートブレイカー 泣かないで」(12th
シングル)を柱とし、それに加えて洋楽のヒット曲を中心としたカバー曲を多数収録しているのが大きな特徴です。
アルバムの収録曲は、
麻倉未稀自身のオリジナル楽曲と、エネルギッシュな
ダンス・ミュージックを中心に構成された洋楽カバーが見事に融合しています。彼女のパワフルで伸びやかなボーカルは、これらのアップテンポな楽曲と特に相性が良く、聴く者を惹きつけます。
特に注目されるカバー曲としては、まずオープニングを飾る「
ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」が挙げられます。これは
1984年公開の映画『フットルース』の挿入歌として、
ウェールズのシンガー、
ボニー・タイラーが歌った「Holding Out for a Hero」の日本語カバーです。
麻倉未稀によるこのカバーは、TBS系ドラマ『
スクール☆ウォーズ』の主題歌に起用され、大ヒットを記録しました。
他にも、
アルバム中盤に収録されている「あの胸にもう一度」は、アメリカのミュージシャン、
マイケル・センベロが
1984年に発表した楽曲「Hysterical」のカバーです。また、「モーニング・ミスティ」は、同じく
1984年のアメリカ映画『スプラッシュ』の主題歌、
リタ・クーリッジの「Love Came for Me」のカバーであり、ライナーノートには原題と映画タイトルが併記されています。さらに、
カナダのシンガーソングライター、マリー・ボットレルが
1985年に発表した
アルバムと同名の楽曲「Girls Get Lonely Too」も、
アルバムの重要な一曲としてカバーされています。
シングルA面曲以外にも、12th
シングル「ハートブレイカー 泣かないで」のB面曲である「Last Song ララバイ」、そして後に13th
シングル「RUNAWAY」のB面として
シングルカットされた「ワンダフル・ワールド」など、
麻倉未稀作詞のオリジナル曲も収録されています。
アルバムタイトルにもなっている「Love Again」は、
梅垣達志とのデュエット曲であり、
アルバムを締めくくるにふさわしい楽曲です。
発売当時はLPレコードおよびカセットテープでリリースされ、後にCD化されました。収録内容はLP/CT、CDともに同じですが、2023年
2月3日から開始された
音楽配信サービスにおいては、主要曲である「
ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」が配信対象から外れているという違いがあります。
『Love Again』は、
麻倉未稀のキャリアにおいて、当時のヒット
シングルを収録しつつ、積極的に洋楽のダンスナンバーを取り入れることで、彼女の表現の幅広さを示す一枚となりました。特に多くの人々に知られることになった「ヒーロー」のカバーが収録されている点は、この
アルバムを語る上で欠かせない要素と言えるでしょう。時代の空気を取り込みながら、
麻倉未稀らしいパワフルな歌声で彩られたこの作品は、今もなお多くのファンに愛されています。