ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO

ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO

「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」は、1984年5月21日に北川剛によってリリースされたシングルです。この楽曲は、同年に公開された映画『フットルース』の挿入歌であるボニー・タイラーの「HOLDING OUT FOR A HERO」の日本語カバーです。本作はその後、葛城ユキと麻倉未稀により、それぞれ異なるバージョンが発表され、葛城版は1984年7月5日に、麻倉版は1984年11月5日にリリースされました。

原曲と異なるバージョン

北川版、葛城版、麻倉版はいずれも作詞が売野雅勇によって手掛けられていますが、その歌詞は各バージョンで異なります。特に北川版と葛城版は男性の視点から描かれる一方、麻倉版は女性の視点からアプローチされています。麻倉版は元々アルバム収録用として制作されましたが、ドラマの主題歌に急遽決まったため、再レコーディングが行われました。この版ではサビの大部分が英語で構成されており、日本語の歌詞はほとんど存在しません。麻倉版の主語は「あなた」で、これに対し葛城版と原曲は「私」となっています。

セールスとヒット

麻倉版はオリコンチャートで最高19位となりましたが、長期間にわたってヒットし、最終的には18.1万枚のセールスを達成しました。これは、麻倉未稀のシングルとしては1983年の「黄昏ダンシング」に次ぐもので、喫緊の人気を記録しました。

ドラマのテーマ曲

麻倉版は、TBSの人気ドラマ『スクール☆ウォーズ』の主題歌として採用され、ドラマと共に多くの支持を得ました。ドラマのオープニングでは「ヒーロー」と表記され、作品の印象を強化しました。特に、前奏のナレーションと共にラグビー部のシーンが繰り広げられる映像は印象的でした。春日千春プロデューサーはこの曲を聞いてテーマ曲に最適だと確信し、選ばれた結果、曲は番組の象徴となりました。この楽曲は、その後もラグビーの話題に使われるなど、多様なメディアで楽曲が親しまれています。

その他の使用

麻倉版は、キックボクシングやボクシングの入場曲としても使用されており、また新日本プロレスのユニット「青義軍」のイメージソングとしても頻繁に聞かれます。ボニー・タイラーの原曲も韓国のスポーツシーンで使われるなど、国境を越えて親しまれています。さらに、2019年公開の映画「名探偵ピカチュウ」のプロモ映像にも麻倉版が使われるなど、時代を超えて多くの人に愛されています。

カバーと収録情報

さまざまなアーティストによるカバー版も存在し、小柳ルミ子の紅白歌合戦でのパフォーマンスや、伊藤咲子、大黒摩季、デーモン閣下などのバージョンがリリースされています。特に、アニメ『暗殺教室』でもこの楽曲が使用され、現代の若い世代にも影響を与えています。

「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」は、そのメロディーの美しさと共に、さまざまな分野で活用され続ける、日本の音楽シーンにおける重要な一曲として位置付けられています。

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