M・L・カー

マイケル・レオン・カー：ディフェンスの名手、セルティックス黄金期を支えた男

マイケル・レオン・カー（Michael Leon Carr、1951年1月9日生まれ）は、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手であり、指導者としても活動しました。198cmの身長と93kgの体重で、スモールフォワードとして活躍しました。

プロ入り前

ギルフォード大学を卒業後、1973年のNBAドラフトでカンザスシティ=オマハ・キングスから全体76位で指名を受けましたが、すぐには入団せず、ヨーロッパのプロリーグで2年間プレーしました。

ABA、そしてNBAへ

1975年、カーはABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）のスピリッツ・オブ・セントルイスに加入。平均12.2得点を記録し、オールルーキー1stチームに選出される活躍を見せました。しかし、シーズン終了後にABAとNBAが合併した際、スピリッツは解散。カーはNBAのデトロイト・ピストンズに入団することになりました。

ピストンズでは主力選手として活躍し、3シーズンで平均14.8得点7.4リバウンドを記録。1978-79シーズンには、自己最高の平均18.7得点、2.46スティールを記録し、スティール王を獲得。オールディフェンシブ2ndチームにも選ばれました。

セルティックスでの栄光

1979年、カーはフリーエージェントとして、再建途上にあったボストン・セルティックスと契約。翌年にはラリー・バードが入団し、セルティックスは強豪として復活を遂げます。カーは、1981年と1984年の2度、NBAリーグ優勝を経験しました。

特に、1984年のNBAファイナル第4戦では、オーバータイム残り10秒でスティールからダンクシュートを決め、セルティックスの勝利を決定づけるという、シリーズを2勝2敗に戻す有名なプレーを見せました。また、彼は試合の大事な局面でタオルを振ってチームを盛り上げる姿でも知られていました。

1985年のファイナル敗退後、カーは現役引退を表明。NBAでの通算成績は、678試合に出場、6,759得点、3,054リバウンド（平均10.0得点、4.5リバウンド）でした。

指導者として

引退後、カーは1994年にセルティックスのゼネラルマネージャーに就任。翌年にはヘッドコーチを兼任しました。しかし、カーが指揮した2年間でセルティックスは48勝116敗（勝率.293）と低迷。特に1996-97シーズンは、球団史上ワーストとなる15勝67敗を喫しました。（後にカーは、シーズン終了後のドラフトで高順位指名権を得るため、意図的に負けたと証言しています。）1997年、カーはヘッドコーチおよびゼネラルマネージャーの職を退き、チームの事業部開発ディレクターに就任しました。

引退後

現在、カーは妻とともにマサチューセッツ州に居住しており、地元のベンチャー企業の共同経営者を務めています。

マイケル・カーは、ディフェンスの名手として、またセルティックス黄金期を支えた重要な選手として、バスケットボールファンの記憶に残る人物です。

[外部リンク]
Basketball-Reference.com
THE DIGEST

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