M-Line

ダラス M-Line

テキサス州ダラスの街を彩るユニークな交通機関、それが「M-Line」です。この路面電車路線は、単なる移動手段にとどまらず、街の歴史や文化を感じさせる存在として多くの人々に親しまれています。

路線の概要

M-Lineは、ダラス市内の中心部と、近年開発が進み賑わいを増しているアップタウン地区を結ぶ路線です。全長およそ7.4キロメートルに及び、主にマッキニー・アベニューを南北に走行しています。市内中心部とアップタウンを行き来する人々にとって、便利な交通手段の一つとなっています。

特徴的な車両たち

当路線最大の特徴の一つは、その使用車両です。M-Lineで運行されているのは、かつてアメリカ国内の他都市や、さらには海外で活躍した歴史ある「レトロ車両」ばかりです。これらの中には、流線型の美しいフォルムで知られるPCCカー（Presidents' Conference Committee Car）と呼ばれる往年の名車が含まれています。また、異国の地からダラスにやってきた中古の路面電車車両も、丁寧に整備されて現役で運行されています。これらの車両に乗ることは、まるで時間を遡ったかのような特別な体験を提供してくれます。

運営体制と支え

M-Lineの運営は、非営利団体であるマッキニー・アベニュー・トランジット・オーソリティ（McKinney Avenue Transit Authority、略称MATA）が中心となって行っています。MATAは、この歴史ある路面電車システムを維持・発展させるために活動しており、その活動はダラス高速運輸公社（DART）からの財政的な支援を受けています。さらに、M-Lineは多くの熱心なボランティアたちの尽力によっても支えられています。車両の整備や運行補助など、様々な面でボランティアの協力が不可欠であり、地域住民の愛情に支えられた公共交通と言えるでしょう。

無料で利用可能

M-Lineは、ダラス市内を移動する市民や観光客にとって非常に利用しやすい存在です。特筆すべきはその運賃体系でしょう。M-Lineの通常の乗車運賃は、なんと無料です。これにより、気軽に市内中心部とアップタウンを行き来することが可能です。ただし、特別な目的で車両を貸し切るチャーター利用の場合は、別途定められた有料となります。

他交通機関との接続

市内交通ネットワークにおけるM-Lineの役割も重要です。アップタウン側の終点であるシティプレイス駅（CityPlace Station）では、ダラス広域の公共交通システムを担うダラス高速運輸公社（DART）が運行するDARTライトレールへの便利な乗り換えが可能です。これにより、M-Lineは単独の路面電車路線としてだけでなく、ダラス都市圏の広範囲をカバーする鉄道ネットワークの一部としても機能し、利用者の移動範囲を広げています。

M-Lineは、ダラスの街並みに溶け込みながら、市民の足として、そして訪れる人々に喜びを与える存在として、これからも走り続けます。

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