M-MSV

M-MSV（ミッシングモビルスーツバリエーション）

M-MSV（ミッシングモビルスーツバリエーション）は、宇宙世紀を舞台とする『ガンダムシリーズ』のメカニックデザインプロジェクトです。この企画は、1990年にバンダイが発行した雑誌『SD CLUB』において連載が始まり、当初は「モビルスーツコレクション 大河原邦男MS最新設定集」という名称で存在していました。

概要

M-MSVは、宇宙世紀における秘匿されたモビルスーツの情報が法改正により公開されるという設定に基づいています。これまでアニメや他の媒体で公開されたモビルスーツバリエーションとは異なり、初代『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に至るまでの作品に登場するモビルスーツが対象です。

この企画は、バンダイの土信田一善が推進し、彼は以前から『ガシャポン戦士』のプロジェクトを手がけていました。その際、販売するモビルスーツのアイデアが不足していたため、MS設定の整理や新たなデザインの創出が必要とされていました。土信田は、これまでに登場したモビルスーツの系統図を作成し、設定面での整合性を重視しながら新しい機体の創造には慎重でした。また、制作やデザインには「タスクフォース（マインド）」という会社とスタジオ・ハードが関与し、最終的なチェックは井上幸一と大河原邦男が担当しました。

設定されたモビルスーツ

M-MSVでは、多くのモビルスーツが設定されました。一年戦争に関連するジオン公国軍や地球連邦軍の機体はもちろん、グリプス戦役やその他の戦争に関する新しいデザインも発表されました。例えば、ジオン軍の「プロトタイプザク」や、連邦軍の「ガンキャノンA」、さらにエゥーゴとカラバに至るまでの機体の数々がこの企画の中で語られています。

小説と関連作品

この企画に基づいた小説『モビルスーツコレクション・ノベルズ』や漫画『シークレットフォーミュラ』も刊行され、それぞれのモビルスーツの活躍を描写しました。全7作のオムニバス形式で展開され、1〜3作は沢藤健が、4〜7作は境秀樹によって執筆されています。残念ながら、連載中に雑誌が休刊となり単行本化はされていませんが、興味深いエピソードが数多く詰まっています。

作品一覧

• - Act.1 破滅の機体 (SDクラブ No.8)
• - Act.2 ア・バオア・クー攻防戦 (SDクラブ No.9)
• - Act.3 宇宙の咆哮 (SDクラブ No.10)
• - Act.4 砂漠の狐 (SDクラブ No.11)
• - Act.5 宿敵の幻影 (SDクラブ No.12)
• - Act.6 Fifty-Fifty (SDクラブ No.13)
• - Act.7 閃光の源 (SDクラブ No.14)

これらの作品は、宇宙世紀の背景やモビルスーツの役割を深く掘り下げ、新たな視点からガンダムの世界を理解する手助けとなっています。また、これによりファンの間でのガンダムに対する関心がさらに高まっていったと言えるでしょう。

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