M1127 ストライカーRV

M1127 ストライカーRV：アメリカ陸軍の偵察を担う装輪戦闘車

M1127 ストライカーRV（Reconnaissance Vehicle）は、アメリカ陸軍ストライカー旅団に配備されている装輪式の偵察戦闘車です。スイスのモワク社が開発したピラーニャIIIをベースとしており、ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ・カナダ（GDLS Canada）によって製造されたストライカー装甲車シリーズの一車種です。

概要

M1127は、ストライカー旅団の偵察・監視を主な任務とする部隊（RSTA部隊）で運用されます。2名の乗員と、武装した5名の兵士が搭乗可能です。

この車両の最大の特徴は、車体上に搭載されたレイセオン社製のLRAS3（Long Range Advanced Scout Surveillance System：長距離先進偵察監視システム）と呼ばれる偵察用機材です。LRAS3は、ハンヴィーなどにも装着可能な多機能センサー式偵察装置であり、光学式TVカメラ、赤外線暗視装置（FLIR）、レーザーレンジファインダーなどを内蔵しています。これにより、約15km先の目標を捕捉・監視し、距離を測定することが可能です。

さらに、M1127は5名の偵察隊員を搭乗させ、必要に応じて降車させて情報収集活動を行わせることができます。つまり、M1127はセンサーによる情報収集と、ヒューミント（人的情報収集）という、二つの情報収集能力を1両で実現できる車両なのです。

武装

主兵装としては、M2重機関銃、あるいはMk.19 グレネードランチャーを、車体上の銃架に装備することができます。この銃架は通常タイプであり、M1126やM1130に装備されているリモコン式のM151 プロテクターRWSではありません。

特徴

他のストライカー装甲車シリーズと比較して、M1127はより多くのスモークディスチャージャーを装備している点も特徴です。M1126やM1128、M1134が通常4発×4基のスモークディスチャージャーを装備するのに対し、M1127は4発×12基を装備しています。これは、偵察任務における生存性を高めるための措置と考えられます。

外観上の注意点

同じストライカー装甲車シリーズのM1131 ストライカーFSV（Fire Support Vehicle：火力支援車両）とは、車体上の装備を含めて外観が非常によく似ています。識別には注意が必要です。

脚注・出典

primeportal.net M1127 Stryker Recon Walk Around Page 1 - 実車の細部クローズアップ写真
svsm.org M1127 Stryker RV, Fort Knox, by Vladimir Yakubov - 実車の細部クローズアップ写真
tank-masters.de US – M1127 STRYKER RV - 実車写真

関連項目

偵察戦闘車
* ストライカー装甲車

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