M1129 ストライカーMC

M1129 ストライカーMC：装輪式自走迫撃砲

M1129 ストライカーMC（M1129 Stryker Mortar Carrier）は、アメリカ陸軍のストライカー旅団に配備されている装輪式自走迫撃砲です。イスラエルのソルタム・システムズ社が開発したソルタムK6 120mm迫撃砲のアメリカ軍仕様であるM121 120mm迫撃砲を搭載しています。この車両は、スイスのモワク社が開発したピラーニャIIIをベースとして、ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ・カナダ（GDLS Canada）が製造するストライカー装甲車シリーズの一種です。

概要

M1129は、ストライカー MCV-B（Mortar Carrier Vehicle version-B）とも呼ばれます。初期のMCV-A（version-A）では、ストライカーのサスペンションだけでは120mm迫撃砲の発射反動を十分に吸収できず、射撃時には迫撃砲を車外に降ろす必要がありました。しかし、MCV-Bでは、ソルタム・システムズ社が開発した迫撃砲リコイルシステムであるCardomを搭載したことで、120mm迫撃砲を車内に搭載したまま射撃できるようになりました。Cardomの導入により、射撃準備時間が大幅に短縮され、迅速な火力支援が可能になりました。さらに、M121 120mm迫撃砲は、砲身内にアダプターを装着することで、81mm迫撃砲弾も使用できます。

運用

M1129は、ストライカー旅団戦闘団の機動歩兵大隊およびRSTA大隊（偵察・監視を任務とする部隊）で運用されます。大隊レベルで運用される車両は、車載のM121 120mm迫撃砲に加えて、M252 81mm迫撃砲を牽引して運用されることもあります。同様に、中隊レベルで運用される車両はM224 60mm迫撃砲を牽引する場合があります。RSTA大隊に配備される車両は、車載の120mm迫撃砲のみを運用します。M1129は、各歩兵大隊に10両、RSTA大隊には6両が配備されています。

武装

M1129は、自衛用としてM240B 7.62mm機関銃を車体上の銃架に装備できます。この銃架は通常のマニュアル操作タイプであり、M1126やM1130に装備されているリモコン式のM151 プロテクターRWSではありません。そのため、乗員は車外に出る必要がありますが、シンプルな構造で信頼性が高く、緊急時には迅速な対応が可能です。

実戦投入

M1129は、2005年に第172ストライカー旅団戦闘団に配備され、同年8月に同部隊によってイラクに持ち込まれて運用されました。イラクでの実戦経験を通じて、M1129の高い機動性と火力支援能力が実証され、ストライカー旅団戦闘団にとって不可欠な装備となっています。

関連項目

ストライカー装甲車
迫撃砲
M121 120mm迫撃砲
Cardom：迫撃砲の反動を軽減するシステム
ドラゴンファイア：アメリカ海兵隊が開発した類似システム

外部リンク

PrimePortal.net M1129 Stryker Mortar Carrier Walk Around Page 1：実車の細部クローズアップ写真
* PrimePortal.net M1129 Mortar Removal Photos Page 1：迫撃砲をCardomシステムごと車体から降ろすシーンの写真

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