M231 FPW

M231 FPW（Firing Port Weapon）

M231 FPWは、アメリカの歩兵戦闘車であるM2ブラッドレーに搭載可能な特殊な自動小銃です。この武器は、ガンポートを通じて車内から射撃することができるように設計されています。基本的にはM16自動小銃を基にした派生型であり、「ポートガン」としても知られています。

開発の背景

M231の開発は1972年に始まりました。この時、歩兵戦闘車製造計画の一環として、ガンポートから発砲できる専用武器が求められていました。ロックアイランド造兵廠とコルト社は、M3サブマシンガンやHK33を参考にしつつ、M16系列の武器を基に開発を進めました。その結果、最初に開発された試作品は、銃身が短縮され、発射速度がかなり高いものでした。

試作と改良

最初の試作品は、280mmの短い銃身を有し、オープンボルト式であり、発射速度は1,050発/分という非常に速いものでした。しかし、手持ち火器としての運用も考慮し、様々な改良が進められました。コルト社によって行われた追加の改良では、発射速度を200発/分に抑える機構が導入され、車内からの射撃時の効果を高めるための設計が施されました。さらに、1974年にはXM231として改良試作が行われ、最終的には1979年にM231として制式採用されました。

使用状況と評価

当初の目的には疑問が残りますが、M231は現在なお搭乗員の自衛用や近接戦闘のために使用されています。導入後しばらくすると、歩兵戦闘車の運用思想が変わり、M231の必要性は低下しました。そのため、実際の戦闘での使用は限定的でしたが、特殊部隊の兵器として復活する動きも見られます。イラク戦争時には、兵士がこの武器を手持ちで使用している臣従を見られ、多くの写真や映像に記録されています。

構造と特長

M231は基本的にM16と同様の機構を持っているものの、いくつかの重要な変更が施されています。例えば、レシーバーはオープンボルト方式になっており、セレクターは「安全」と「全自動」だけが用意されています。また、照準器が装備されていない点も特徴です。これにより、射手は曳光弾の光跡を目視して弾の軌道を修正する思考が求められます。

M231は、車両の中で豆腐のように使用されることが意図されているため、銃床が存在しません。これにより、車内での扱いが容易になる反面、車外での使用は制限される理由にもなっています。発射速度が非常に速いため、銃声や銃口からの炎・衝撃波が大きく、周囲に危険を及ぼす可能性があるからです。

結論

M231 FPWは、歩兵戦闘車の運用において重要な役割を担いながらも、その独特な設計ゆえに噛み合わない部分もあったかもしれません。現代においてもなお使用されているこの武器は、歴史に名を刻む存在となっています。

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