M325 (軍用車両)

M325 ヌンヌン コマンドカー

M325ヌンヌン コマンドカーは、イスラエルのオートモーティブ・インダストリーズ社（AIL社）によって1970年に開発された中型四輪駆動の軍用車両です。この車両は、ダッジのパワーワゴンを基にして設計されており、イスラエル国防軍（IDF）で1970年から1993年まで使用されました。その名の「ヌンヌン」はヘブライ語で「ウェポンキャリア」を表す言葉の頭文字に由来しています。

設計と特徴

M325は、従来のダッジパワーワゴンやダッジ ウェポンキャリアの後継車両として位置付けられています。それまでイスラエル軍が使用していた車両を更新する目的で設計されたこの車両は、ダッジ M601のシャーシにクライスラー製のエンジンを搭載し、独自のAIL社製ボディを組み合わせたものです。

初期のモデルは、縦格子のフロントグリルと円形のヘッドランプを特徴とし、後期モデルでは横格子のグリルと長方形のヘッドランプに進化しました。また、後期モデルにはディスクブレーキやパワーステアリング、ウインチなどの先進的な装備が追加され、性能が向上しました。

戦歴

M325は、1973年の第四次中東戦争を含むいくつかの紛争で活躍しました。特に1970年代から80年代にかけてのレバノン南部の戦闘では重要な役割を果たしました。さらに、イスラエルの友好勢力である南レバノン軍にも供与され、その後はレバノン国軍に引き継がれました。

1993年には前線装備から外れ、同じくAIL社製のM462 Abirが後継として導入されました。ただし、M325の機能の一部はハンヴィーに移行し、現在もその役割は一部引き継がれています。

現在の状況

退役後のM325は、民間市場に払い下げられ、イスラエル国内では現在でも見ることができます。また、南米やアフリカを含む多くの国に輸出され、引き続き軍用車両としての使用が続いています。

使用国

• - イスラエル
• - レバノン（南レバノン軍）
• - ボツワナ
• - チリ
• - ケニア
• - ペルー

関連項目

• - 軍用車両
• - ダッジ ウェポンキャリア：M325導入前のイスラエル軍で使用された車両
• - ウィリス M38A1：イスラエル軍で同時期に使われた小型軍用車
• - M151：同じくイスラエル軍で運用された小型軍用車
• - AIL ストーム：M151の後継車両として使われる小型軍用車
• - ハンヴィー：イスラエル軍で使用され、M325の役割を一部引き継いでいる
• - M462 Abir：M325の後継車両

このようにM325 ヌンヌン コマンドカーは、イスラエルの軍事史において重要な位置を占め、現在でもその残影が見られる希少な車両です。

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