M38装甲車

M38装甲車、別名ウルフハウンドは、第二次世界大戦末期にアメリカで開発された6輪駆動の装輪装甲車です。M8グレイハウンド装甲車とその派生型を代替する目的で設計されました。

開発経緯

1944年、ゼネラルモーターズ傘下のシボレー部門によって試作車が製造されました。しかし、1945年の第二次世界大戦終結に伴い、その開発計画は中止されました。もし終戦がなければ、戦場で活躍していたかもしれません。

特徴

ウルフハウンドの乗員は4名で、オープントップ形式の旋回砲塔に37mm砲を搭載し、93発の弾薬を携行していました。副兵装として、主砲と同軸に機関銃1挺、そして対空用のピントルマウントにもう1挺の機関銃を備えていました。

動力源はキャデラック製のV型8気筒水冷エンジンでした。低姿勢で洗練された外観を持ち、車体両側面には、左右対称に配置された車軸に3個の大型車輪が装備されていました。特徴的なのは、大きく曲面化された泥除けです。また、車体正面の装甲板は、防御性能を高めるために鋭い角度で傾斜しており、その右側には無線アンテナが装着されていました。

火力強化の試み

M38軽装甲車のうち1輌は、M24軽戦車の砲塔を搭載できるように改造され、火力増強の可能性を検証するための試験を受けました。この試験結果がどうだったのかは定かではありません。

Mナンバーについて

M38は、アメリカ陸軍の車両に与えられるMナンバーの一つです。Mナンバーは、開発順に与えられるため、その番号を見ることで、おおよその開発時期を知ることができます。

T27装甲車とT28装甲車

M38装甲車は、試作段階ではT28装甲車と呼ばれていました。T27装甲車は、このT28装甲車と競合した車両です。

まとめ

M38装甲車は、M8グレイハウンドの後継として期待されながらも、時代の流れの中で姿を消した装甲車です。しかし、その洗練されたデザインや特徴的な構造は、今もなお多くの人々を魅了しています。

もう一度検索