M51 (ミサイル)

M51潜水艦発射弾道ミサイルについての詳細

M51は、フランスが開発した潜水艦発射弾道ミサイルであり、正式にはフランス語で「Mer-Sol-Balistique-Stratégique」と呼ばれています。このミサイルは、フランス海軍が過去に運用していたM45ミサイルの後継機として位置付けられており、2010年から実際に運用が開始されました。特にフランス海軍のル・トリオンファン級原子力潜水艦に16基のM51が搭載され、戦略的な抑止力を提供しています。

開発の背景と経緯

フランス海軍は1993年にM45の後継として、より長射程の新型弾頭を装備したM5ミサイルの開発を始めました。この計画は後に縮小され、最終的にM51が選択されました。M51は、射程が8,000kmから10,000kmとされる強力なミサイルであり、従来のTN 75核弾頭が搭載されます。

最初の発射試験は2006年の11月9日に実施され、成功を収めました。続いて2007年6月および2008年11月には、さらなる試射が行われ、これも成功に終わっています。2010年7月10日には、ル・テリブル(S619)という潜水艦から実戦環境下での試射に成功し、その後9月からは正式に戦力として配備されました。

技術的特徴

M51は三段式の固体燃料ロケットで、その先端にはエアロスパイクと呼ばれる特有の突起があります。この設計によってブースト段階での空気抵抗が減少し、さらに効率的な飛行が可能になります。初期型はM51.1と呼ばれ、TN 75核弾頭を搭載します。それに対し、製造元であるEADSグループは新型の核弾頭、即ちTNO（Tête nucléaire océanique）を搭載した改良型のM51.2の開発を進めており、2015年までに就役させることを目指しています。

また、さらに高性能な改良型であるM51.3についても、2014年より開発が始まっています。このモデルは、迎撃能力を抑える特性を持ち、2025年頃には完成が見込まれています。

仕様概要

• - 全長: 12.0m
• - 胴体直径: 2.3m
• - 自重: 52t
• - 射程: 8,000km-10,000km
• - 弾頭: TN 75核弾頭（核出力100−150kt）
• - MIRV: 6基

M51は、フランスの戦略的抑止力の象徴とされ、国際的な安全保障の枠組みの中でも重要な役割を果たしています。空気抵抗を減少させる設計や改良型の開発視野を持つことで、今後もその影響力は続くでしょう。これにより、フランス海軍は強固な防衛体制を維持し、潜在的な脅威に対抗するための手段を持ち続けることができます。

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