M78 (天体)

M78（NGC 2068）について

M78は、オリオン座に存在する散光星雲の一つで、特に反射星雲として知られています。この星雲は、メシエ天体の一つであり、オリオン座の三つ星の東端に位置するζ星の北東約2.5度のところにあります。M78は、全天で最も明るい反射星雲のうちの一つとして、多くの天文愛好者や研究者に注目されています。

構成と特徴

M78は、オリオン座に広がるオリオン座分子雲の一部を成し、馬頭星雲やオリオン大星雲（M42）とも関連しています。特に、M78は、重星であるHD 38563AとHDE 38563Bの光によって明るく照らされています。この星雲の近くには、NGC 2064、NGC 2067、そしてNGC 2071といった他の星雲も存在しており、これらはすべてバーナードループに位置しています。

観測画像では、中央にあるのがM78、左上にはNGC 2071、小さな南西部にはNGC 2064が見えます。特に暗い部分ではありますが、双眼鏡でも星雲の形を確認するのは容易であり、観察者は眼を凝らすことでその存在を知覚することができます。さらに、口径5cmの望遠鏡を用いることで、中央に位置する二重星の姿もはっきりと見えるようになります。

口径10cmの望遠鏡では、M78の外形が鮮明に確認でき、北西部の輪郭がはっきりしている一方、南西側の輪郭は少しぼやけている様子がわかります。また、初心者にとっては、小さな彗星を想像させる絶好の対象でもあります。さらに、口径50cmの望遠鏡を使うと、M78の詳細な構造やNGC 2064も観察できます。

観測の歴史

この星雲は、1780年にピエール・メシャンによって発見されました。彼はM78を「オリオンの右側にあり、星雲状の物質に囲まれた2つの核を持つ」と記しています。その後、同年にシャルル・メシエは、M78について「2つの星を含む小星雲で、北側の部分がはっきりしており、徐々に消滅していく」と報告しました。1852年にはロス卿が「渦状に見える」と述べています。

リック天文台でも、この星雲の観測が行われ、「やや明るく、拡散した星雲状で、明るい部分は6’×4’の範囲で10等星2つを含んでいる」と記録されています。それぞれの観測者がM78に見い出した特徴や評価は、星雲の全体像を多角的に理解する手助けとなっています。

フィクションとの関連

M78は、天文学だけでなく、様々なフィクションとも結びついています。宇宙を舞台にした作品において、その神秘的で美しい姿が魅力的な要素となっていることが多いです。

M78は、星雲の観測に取り組む際の興味深い対象であり、天体観測を楽しむ人々にとって、その存在は魅力的なものとして受け入れられています。

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