『MARS』は、
B'zが1991年5月29日にリリースした3枚目のミニ
アルバムです。本作は、BMGビクターから発売されましたが、後にBMGルームス(現:
VERMILLION RECORDS)へ発売権が移行しています。
本作のテーマは「踊れる
ハードロック」です。これは、メンバーが映像作品『
FILM RISKY』の撮影でニューヨークを訪れた際、現地のクラブ「MARS」で耳にしたハードなサウンドに触発されたことがきっかけとなっています。当時、
B'zはツアー『
B'z LIVE-GYM "Pleasure '91"』を開催しており、その最中に本作がリリースされました。
サウンド面では、前作4th
アルバム『RISKY』に引き続き、ジェイソン・コーサロがミックスを担当しています。CDのレーベル面は、BMGビクターとBMGルームスから発売されたものが黒を基調としたデザインであるのに対し、Rooms RECORDSから発売されたものは赤を基調としたデザインとなっています。本作は173万枚以上のセールスを記録し、
B'zのミニ
アルバムの中で最も高い売り上げを誇っています。
収録曲と楽曲解説
1.
孤独のRunaway
松本孝弘が
安宅美春に提供したインストゥルメンタルの
セルフカバーです。原曲から打ち込みを減らし、
ギターリフにも変更が加えられています。歌詞は新たに書き下ろされました。
稲葉浩志は、先にインストゥルメンタルのイメージがあったため
作詞に苦労したと語っています。ただし、イントロと
サビの一部には安宅のオリジナル版の歌詞が使用されており、そちらでは稲葉がコーラスを担当していました。この曲は、後にマスト・
アルバム『
B'z The "Mixture"』に再録バージョンが収録されました。
2.
Mars
全編が稲葉の語りで構成された、
B'zとしては異色の楽曲です。歌詞カードには、平仮名で四角く収められた言葉が記載されています。
3.
Loving All Night 〜Octopus Style〜
2nd
アルバム『
OFF THE LOCK』収録曲「LOVING ALL NIGHT」の全英詞アレンジバージョンです。間奏には、加藤友彦によるブルースハープと、稲葉の
性行為を想起させるような喘ぎ声が挿入されています。最後の
サビでは、原曲の日本語歌詞で歌われています。
4.
Love & Chain 〜Godzilla Style〜
3rdシングル『
LADY-GO-ROUND』の2nd beat「LOVE & CHAIN」の全英詞アレンジバージョンです。コーラスには
大黒摩季が参加しています。リメイク曲の中では、最も大幅なアレンジが施されています。間奏には、原曲の日本語の語りが挿入されており、曲の終了後には、藤田理麻による英語の語りが次の曲へと繋がっています。
5.
LADY NAVIGATION 〜Cookie & Car Stereo Style〜
8thシングル「
LADY NAVIGATION」の全英詞アレンジバージョンです。他のリメイク曲と比較すると、原曲からのアレンジは少ないですが、
ギターとドラムが強調され、ロック色が強くなっています。
参加ミュージシャン
松本孝弘:
ギター、
作曲・
編曲
稲葉浩志: ボーカル、
作詞
明石昌夫:
マニピュレーター、
編曲
青山純: ドラム (#1,3,4)
田中一光: ドラム (#5)
加藤友彦: ブルースハープ (#3)
大黒摩季: コーラス (#4)
藤田理麻: ボイス (#4)
ライブ映像作品
孤独のRunaway
『
B'z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-』
『
B'z LIVE-GYM 2017-2018 “LIVE DINOSAUR”』
Loving All Night 〜Octopus Style〜
『
JUST ANOTHER LIFE』
関連情報
B'z DISCOGRAPHY 『MARS』(楽曲の試聴が可能です)
参考資料
『music freak magazine & Es Flash Back
B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年。