MASCHERA

MASCHERA（マスケラ）

日本のヴィジュアル系ロックバンド、MASCHERA（マスケラ）は、1992年から2000年まで活動したグループである。バンド名はイタリア語で「仮面」を意味する言葉に由来し、90年代ヴィジュアル系シーンにおいて、その独特な世界観と音楽性で注目を集めた。

概要・来歴

MASCHERAは1992年 9月24日に結成された。バンドの活動は、結成地でありメンバーの出身地でもある兵庫県姫路市を中心にスタートし、インディーズ時代は地元のライブハウス「姫路Beta」などを拠点にライブ活動を展開。熱心なファンベースを築き上げた。

1997年12月3日、シングル「ゆらり」でテイチクエンタテインメントよりメジャーデビューを果たす。彼らが所属したホリプロからメジャーデビューしたヴィジュアル系バンドとしては、NA-ZE?に続く二組目であった。

メジャー契約後、バンドは精力的なリリース活動を開始する。1998年2月には両A面シングル「HYPERDELIC AGE / Still I Love You」を、同年5月には3rdシングル「[ékou]」を発表。「[ékou]」は、当時放送されていた近藤真彦主演のテレビドラマ「ドンウォリー！」の挿入歌として起用され、メディアを通じてその楽曲が広く知られることとなった。続いて同年10月には4thシングル「ラストフォトグラフ」をリリース。この楽曲は日本テレビ系の人気バラエティ番組「ダウンタウンDX」のエンディングテーマとして使用され、バンドの認知度をさらに押し上げた。同年11月11日には、メジャー初となるアルバム『iNTERFACE』がリリースされ、高い評価を得た。

音楽活動だけでなく、メンバーの個性的なキャラクターも注目され、メディアへの露出も増えた。1999年3月からは、ニッポン放送の深夜番組『@llnightnippon.com MASCHERA 人力鉄道』のパーソナリティに抜擢され、2000年9月まで約一年半にわたりリスナーを楽しませた。

1999年には5thシングル「to fly high」、6thシングル「Alice」を立て続けに発表。「Alice」からはCDの形態が従来の8センチシングルから、より多くの情報が収録可能なマキシシングルへと変更された。

2000年2月23日には、MASCHERAとしての最後のシングルとなる「Dragonheads Snaketails」をリリース。そして、3月23日にはメンバー自身がプロデュースを手掛けた2ndアルバム『orb』を発表。完成度の高いサウンドを提示した。

しかし、人気絶頂期にありながら、バンドは解散という道を選択する。2000年 3月29日、赤坂BLITZで行われたライブをもって、MASCHERAは8年間の活動に終止符を打った。解散後、同年5月24日には彼らの活動の集大成となるベストアルバム『BEST』がリリースされた。

解散後の活動と復活

MASCHERA解散後、各メンバーはそれぞれの道を歩み始める。ボーカルのMICHIは、自身のソロプロジェクトであるS.Q.F（エス・キュー・エフ）を始動させ、形を変えながら音楽活動を継続。2018年には元ALvinoのKOJIと共にALICE IN MENSWEARを結成した。ギターのTAKUYAは解散後にJ+Jeniusを結成したが、現在は音楽業界から身を引いている。ベースのHIROもT.O.S.S、体当たり戦士ボディーアタック、TAOといったバンドで活動した後、現在は音楽活動からは退いている。ドラムスのTOMOはT.O.S.S脱退後、BURST BLAST KING、SMASH RAIDなどで活動し、現在はS.Q.Fのサポートドラマーを務めるなど、現在も音楽シーンに深く関わっている。

解散から12年後の2012年、MASCHERAはファンの前に再び姿を現す。同年1月7日、渋谷O-WESTにて一夜限りの復活ライブが開催され、多くのファンが詰めかけ往年のパフォーマンスに熱狂した。さらに同年12月1日には、赤坂BLITZにて二度目の復活ライブを実施。この公演は「再復活」と銘打たれ、活動休止という形で幕を閉じた。このライブでは、新曲や未音源化楽曲などを含む限定ミニアルバム付きチケットが販売され、ファンへの特別なプレゼントとなった。バンドの公式Twitterアカウントは、この活動休止以降も更新が続いている。

近年では、2021年に姫路Beta支援を目的としたコンピレーションアルバム『VERSUS FATE』にインディーズ時代の楽曲を提供。同年5月19日には、テイチクエンタテインメント在籍時代にリリースされた作品（2012年発売のベストアルバム『MASCHERA HISTORY 1996-2000』を含む）のサブスクリプションサービスが主要プラットフォームで解禁され、より多くの人々が彼らの音楽に触れる機会が設けられた。短い活動期間ながらも、その強烈なインパクトと高品質な楽曲は、今なお多くのリスナーに記憶され、語り継がれている。

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