テイチクエンタテインメント

株式会社テイチクエンタテインメント

株式会社テイチクエンタテインメント（英語：TEICHIKU ENTERTAINMENT, INC.）は、日本の主要なレコード会社の一つです。この会社は通信カラオケサービスの大手であるJOYSOUNDを運営するエクシングの連結子会社であり、ブラザー工業グループに所属しています。テイチクという名前は、設立当初の「帝国蓄音機商会」という名称から取られています。

会社の歴史

テイチクエンタテインメントの起源は1931年に遡ります。この年、南口重太郎が大阪で「スタンダード・レコード」を設立し、後のテイチクの一工場となりました。彼は忠臣である楠木正成を尊敬し、当時「楠公印」のレーベルマークを商標登録しました。テイチクは民族資本のレコード会社として、キングレコードと並ぶ長い歴史を持っています。

演歌や歌謡曲の売上がその半数以上を占めており、特に日本コロムビアと並ぶ同ジャンルのリーダーです。1990年代にワーナーミュージックやポニーキャニオン、BMG JAPANが演歌部門を閉鎖したこともあり、多くの著名な演歌歌手がこの会社に移籍してきました。NHK紅白歌合戦に出演する歌手が多数所属しており、特に石原裕次郎や国民歌手と称される三波春夫は、いずれもテイチクでのキャリアを築いてきました。

さらに、テイチクは落語や軍歌、カラオケ用ソフト、さらには鉄道関連の音楽まで幅広く展開しています。特に、発車メロディや鉄道関連の音楽商品にも力を入れています。海外のアーティストとも連携し、映画『20世紀少年』のテーマソングを歌うT.REXを含む洋楽アーティストも手掛けています。

事業の変遷

テイチクは長い歴史の中で親会社が数回変わるなど、さまざまな経営環境の変化を経てきました。1953年に商号をテイチク株式会社に変更した後、1961年には松下電器産業と提携し、1999年には日本ビクターの傘下に入りました。その後エクシングに買収され、現在ではブラザー工業グループの一員として活動しています。

当初は松下グループの子会社として多くのヒット曲を生み出してきましたが、1990年代には赤字決算が続き、経営改革を余儀なくされました。社長の三浦一光が就任し、構造改革を進め、歌手の復帰や新たなレーベルの設立を行いました。また、2000年代以降はアニメ部門の拡大や音楽レーベルの新設も進められました。

レーベルとアーティスト

テイチクには、演歌・歌謡曲を主なジャンルとする「テイチクレコード」、J-POPに特化した「インペリアルレコード」などがあり、各レーベルが独自のアーティストを擁しています。現在所属するアーティストには、青山新、石川さゆり、天童よしみなどが名を連ねており、それぞれの個性を生かした音楽活動を行っています。

現在と未来

テイチクエンタテインメントは、創立90周年を迎えた2023年もなお、日本の音楽業界において重要な役割を果たしています。今後も新しいアーティストの発掘や、多様な音楽の提供に努め、より多くの音楽ファンに支持される企業でありたいと考えています。このように、テイチクは数十年にわたって音楽文化を支え続けてきた存在であり、これからもその歩みを続けていくことでしょう。

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