MC.205 (航空機)

マッキ C.205 (MC.205)

概要

マッキ C.205は、イタリアのアエロナウティカ・マッキによって開発された名高い戦闘機です。この機体は「MC.205」または「Macchi C.205」とも呼ばれ、第二次世界大戦中に運用されました。主にMC.205Nオリオーネ（オリオン座を意味）とMC.205Vヴェルトロ（グレイハウンドを意味）の2つのバージョンが存在します。高性能なダイムラー・ベンツ DB 605エンジンを搭載し、イタリア製戦闘機の中でも特に高い評価を受けました。

設計と開発

C.205の設計は、先行機種であるMC.202 フォルゴーレを基にしています。フォルゴーレが成功を収めたことから、更なる性能向上を図るためDB 605エンジンを使用することが決定されました。開発時には本格的な改良を加えた205Nと、最小限の改造で済ました205Vという2つのバージョンが同時に進行しました。初飛行は1942年に行われましたが、205Nは想定された性能に達せず実用化が見送られました。

武装と性能

MC.205Vには、最高速度約640 km/hと、主に2門の20 mm機関砲と2丁の12.7 mm機関銃を装備しており、連合軍と枢軸軍のパイロットから高く評価されました。C.205は数多くの連合軍爆撃機を撃墜し、その活躍が認められて「最高のイタリア製航空機」と評されるようになりました。特に、アドリアーノ・ヴィスコンティなどの撃墜王がこの機体に搭乗し、多くの戦果を上げました。

戦歴

C.205は、1943年2月から前線で使用され始めました。その後の数ヶ月で、連合軍の機体と数多くの戦闘を繰り広げ、特にオリオーネ型は連合軍艦船の護衛任務でも活躍しました。しかし、戦局の悪化に伴い、イタリアの戦時経済により生産が制限され、数の上では少数しか配備されませんでした。加えて、降伏直前まで生産が続けられたため、その多くが戦後まで運用されました。

生産と運用

C.205は、1942年8月に生産が開始されましたが、エンジンや資材の不足が影響し、生産ペースは非常に遅く、量産機が完成するまでには時間を要しました。しかし、最初の部隊である第1航空団は、早くも前線で戦闘に投入しました。その後も連合軍との大規模な戦闘に参加し、重要な役割を果たしました。

降伏後の運用

1943年のイタリア降伏後、C.205は一部が連合軍の指定する飛行隊に配属され、また他の機体はイタリア社会共和国（サロ政権）で使用されました。特に、降伏後も一定数のC.205が機能し続け、1947年まで運用されました。

現存する機体

今日、数機のC.205が保存されており、そのうちのいくつかは飛行可能な状態に修復され、博物館などで展示されています。特にミラノにあるレオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館に展示されている機体は、その美しい形状を保っています。

結論

マッキ C.205は、飛行特性や武装、戦果により非常に高い評価を受けており、イタリアの航空機産業の誇りとなっています。第二次世界大戦におけるその活躍は、航空機史における重要な一頁を形成しています。

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