MCAA

MCAA（益子陶芸家＆芸術家協会）について

MCAA（えむしーえーえー、Mashiko Ceramics and Arts Association）は、栃木県芳賀郡益子町に拠点を置く非営利活動法人です。団体の設立は、東日本大震災を受けて行われた活動が契機となりました。益子焼の陶芸家であり、人間国宝でもあった故・島岡達三氏の取り組みが基盤となり、震災による被害を乗り越えて地域を復興させるための活動が始まりました。

設立の背景

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、益子町に甚大な影響を与えました。陶芸家の作品や店舗が次々に損壊し、約40の登り窯とガス窯が全壊または半壊する事態に見舞われました。この状況を知った島岡達三氏の海外にいる弟子たちが支援を申し出、義援金を集める「TATSUZO地震災害支援復興基金（TRF）」が設立されました。この資金を用いて陶芸家の窯の修復を支援する計画が進められましたが、実際に被害を受けた全ての陶芸家を把握することは難しく、島岡の娘である筆谷淑子さんが、若手陶芸家たちへの義援金の配分を検討する必要性を感じました。

このような背景から、2011年12月25日にMCAAが設立されました。益子町の陶芸家たちが集まり、地域の陶芸振興を目指すとともに、互いに支え合うネットワーク作りの重要性に気づきました。MCAAは、益子焼の陶芸家・鈴木稔氏が理事長に就任し、被災した13名の陶芸家たちと共に活動を開始しました。

活動内容

MCAAが掲げる活動方針には、以下のようなものがあります：
1. 益子町内外の被災地支援活動
2. 陶芸家の情報を集めたデータベースの構築と運営
3. 文化交流を促進する合同作品展の開催
4. 廃材を活用したリサイクル活動

特に、2012年の春には、益子町の陶芸家たちが竜巻による二次被害を受けた際、MCAAのメンバーは迅速に支援活動を行い、調査を元に支援を提供しました。

さらに、2012年8月には「MCAA 6 gallery」がオープンしました。ギャラリー内ではメンバーの作品が常設展示され、定期的に企画展も開催されています。また、海外の陶芸家や芸術家たちとの交流も進められており、様々な展示会が行われています。

現在の活動と未来

2015年には、MCAAのメンバーは38名に増加し、理事長である横尾聡氏を中心にアメリカ・オレゴン州でのPR活動も行いました。MCAAは現在、以下の4つの事業を中心に活動を続けています：
1. 陶芸家の創作活動環境整備及びネットワーク構築
2. 割れた陶磁器の再利用に関する「トウジャRe」プロジェクト
3. 災害時の支援活動
4. 国内外の陶芸家との文化交流

これらの活動を通じて、MCAAは地域社会の復興に寄与し、他の地域への支援も行っています。特に、熊本地震などへの災害支援活動にも注力しています。今後もこうした努力を重ねながら、陶芸文化の振興を図っていくことでしょう。「MCAA」は、陶芸の未来を切り拓く重要な存在として、今後も活動を続けていきます。

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