MEDLEY (清春のアルバム)

『MEDLEY』は、日本のロックアーティスト、清春が2009年にリリースしたセルフカバーアルバムです。この作品は、清春がかつてボーカリストとして活動した伝説的なロックバンド、黒夢の楽曲群を、彼自身の現在の声と解釈で新たにレコーディングした音源を収めたものです。過去の楽曲に新たな命を吹き込むという試みは、長年の黒夢ファンや清春のソロワークを追うリスナーの間で大きな話題となりました。

このアルバムのリリースは、2009年1月29日。これは、同年1月31日に東京・日本武道館にて開催された、黒夢の一日限定復活ライブ『降臨』のちょうど前日にあたります。黒夢の復活という歴史的な出来事に寄り添う形で発表された本作は、過去へのリスペクトと現在の清春の音楽性の融合を示す、特別な意味を持つ作品となりました。

収録内容は、黒夢がこれまでに発表したシングル曲の中から、特に象徴的な楽曲を中心に選ばれています。「HAPPY BIRTHDAY」は本作には含まれていませんが、それ以外の多くのシングル曲が、清春による新たなアレンジで生まれ変わっています。オリジナルの持つスピード感やメロディの力強さはそのままに、より円熟した表現力で歌われるボーカルと、現代的なサウンドプロダクションによって、楽曲に新たな魅力を加えています。また、特筆すべき点として、「BEAMS」、「LIKE A ANGEL」、「少年」といった黒夢の代表曲の一部で、歌詞がオリジナルの発表時から変更されている箇所が存在します。これは、現在の清春の視点やメッセージが反映されたものであり、聴き比べによって新たな発見が得られる要素となっています。

本作は、ファンの多様なニーズに応えるため、計4種類の形態でリリースされました。

• - 受注生産限定盤A/B:

これら限定盤は、特製ボックス仕様で、収録曲のインストゥルメンタルバージョンを収録した特典ディスク「VOCALLESS CD」が付属します。さらに、限定盤AにはSサイズのTシャツが、限定盤BにはMサイズのTシャツがそれぞれ封入されました。

• - 初回限定盤:

CD本編に加え、特典としてDVDが付属しました。通常、プロモーションビデオなどが収録される形態です。

• - 通常盤:

CD本編のみの標準的な形態です。

このセルフカバープロジェクトには、多くの実力派ミュージシャンが参加し、サウンド面で清春を支えています。主な参加メンバーと担当パート、参加トラックは以下の通りです。

• - 三代堅: Guitar, bass & programming (M-2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11)
• - 中村佳嗣: Guitar (M-1, 2, 3, 4, 6)
• - 西井慶太: Bass (M-1, 2, 3, 4, 6, 9, 10)
• - 沖山優司: Bass (M-11)
• - ひぐちしょうこ: Drums (M-1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 11)
• - 國分建臣: Drums (M-8, 10)

これらのミュージシャンたちの貢献により、黒夢の楽曲は清春のボーカルを中心に、力強くも繊細な新たなサウンドとして蘇りました。

『MEDLEY』は、黒夢という偉大なバンドの軌跡を清春自身のフィルターを通して再訪した、単なるノスタルジーに終わらない作品です。黒夢再結成という歴史的な瞬間と連動したこのアルバムは、清春のアーティストとしての深みと、日本のロック史における黒夢の lasting な影響力を示す、記憶に残る一枚と言えるでしょう。

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