黒夢

黒夢 - 概要と来歴

黒夢は1991年に岐阜県で誕生したロックバンドで、その名は結成前に創作された楽曲「黒夢」に由来しています。バンド名には「夢や神は存在しない」という思想が込められており、現実を直視しつつ前向きに音楽を追求する姿勢が表れています。このバンドはインディーズシーンにおいて「名古屋2大巨頭」として知られ、LaputaやROUAGEとともに名古屋系の音楽を築き上げました。

結成と初期の活動

黒夢は前身バンドであるGARNETのメンバー、清春・人時・鋭葵と、GERACEEの臣によって結成されました。当初、GARNETの音楽スタイルに満足していなかった清春と人時は、知り合った臣からの誘いを受けて、よりハードな音楽を目指すことに決めました。名古屋でのライブハウスで出会った彼らは、あえて漢字表記のバンド名を選び、主流に逆らうスタイルを採用しました。

インディーズ時代、黒夢は中京圏を中心に活動を展開し、渋谷公会堂でのワンマンライブを成功させました。また、首吊りパフォーマンスなど過激な演出でも話題を集め、インディーズシーンでの人気を確立しました。デモテープやミニアルバム、アルバムを手掛け、次第に彼らの音楽は多くの支持を集めるようになりました。

メジャーデビューとその後

1994年に東芝EMIからシングル「for dear」でメジャーデビューを果たし、音楽業界に新たな風を送りました。同年、発売したアルバム『feminism』はオリコンチャート初登場1位を記録。ギタリストの臣が失踪するなど波乱もありましたが、清春と人時の2人で活動を続け、賞を獲得しながら着実に人気を高めていきました。

メジャーデビューを果たし、様々な方向性の楽曲を発表する中、バンドメンバーの活動に対する考え方の違いからトラブルが増加。1999年には人時が脱退し、その後無期限の活動停止を発表しました。活動休止後、清春はSADSを結成し、自身のソロキャリアをスタート。その後、2009年に一夜限りの復活を果たし正式に解散を迎えました。

再結成と変遷

2010年には再結成が発表され、新たな公式ホームページやファンクラブも設立されました。長い空白期間を経て、様々な形でファンに向けた活動が再開され、清春のソロや他メンバーのプロジェクトが続いていきます。

2011年には新曲をリリースし、ライブ活動も勢力的に行われました。2013年から2014年にかけてはニューアルバムの制作や全国ツアーを実施し、全盛期を感じさせる活動を行いました。

音楽スタイルと影響

黒夢の音楽スタイルは当初から激情と悲哀を表現するものでした。清春は日本人であることの強調を意識し、臣は感情を優先した音楽作りを追求しました。彼らは80年代の日本のパンクやハードコアから多大な影響を受け、自らの音楽に反映させました。

特に清春は、元々のインディーズシーンに衝撃を受け、化粧をした男性ロックバンドに感銘を受けていました。このようにして生まれた独自の音楽スタイルは、後のヴィジュアル系の先駆けともなりました。

まとめ

黒夢は日本のロック史において、格式高いバンドの一角を担っており、その影響力は計り知れません。活動開始から30年経つ今もなお、新たな挑戦を続け、多くのファンに愛される存在であり続けています。今後の活躍も楽しみにされていることでしょう。

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