Mew

Mewは、山本和彦氏によって開発された、Emacs上で動作するオープンソースの電子メールクライアントです。その名前は"Messaging in the Emacs World"の略であり、"M"で始まる愛らしい単語として選ばれました。Emacs 21.4以降、およびMeadow上で動作します。

概要

Mewは、テキストメール、マルチメディアメール（MIME）、ニュース、そしてPGP、S/MIME|S_MIME、SSH、TLSなどのセキュリティ機能を扱うためのユーザーインターフェースを提供します。さらに、Hyper Estraier、Spotlight、Windows Desktop Search、Namazuといった最新の検索エンジンと連携することも可能です。

特徴

Mewには、以下の様な特徴があります。

標準への準拠: RFCなどの標準規格に可能な限り準拠した実装がされています。
プロトコル対応: POP、IMAP、NNTPといった主要なメールプロトコルをサポートしています。
直感的な操作: ショートカットキーを駆使することで、複雑なメッセージの閲覧や作成を簡単に行うことができます。
高いカスタマイズ性: ほとんどの部分がEmacs Lispで実装されているため、Emacs Lispを使い柔軟なカスタマイズが可能です。

詳細

Mewは、単なるメールクライアント以上の機能を提供します。例えば、MIMEに対応することで、画像や音声を含むリッチなメールを扱えるだけでなく、PGPやS/MIME|S_MIMEによる暗号化や電子署名もサポートしているため、安全なメール通信が可能です。また、SSHやTLSによるセキュアな接続もサポートしており、情報漏洩のリスクを低減できます。

検索機能では、メールアーカイブ内のメッセージを迅速に検索することができ、効率的な情報管理に役立ちます。Emacs Lispで実装されているため、ユーザーは自分のワークフローに合わせて細かくMewをカスタマイズできます。例えば、特定のメールの表示形式を変更したり、独自のキーバインドを設定したり、メール処理を自動化するためのスクリプトを作成したりできます。この柔軟性とカスタマイズ性は、Mewが長年にわたって多くのEmacsユーザーに支持されてきた理由の一つです。

参考資料

Mewに関する詳細な情報は、以下の参考文献や外部リンクから得ることができます。

山本和彦, 楼井三子, 乃村能成「Mew - 構造を持つメールへのインターフェイス」『マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集』1994(1)、1994年10月19日、121-130頁。
伊東栄典, 笠原義晃「電子メール用ソフトウェアMewの使い方」『九州大学大型計算機センター広報』1998年9月、143-155頁。
宝剱純一郎『XEmacs & MewがわかるとUNIXとインターネット環境に差が出る : XEmacsの基本操作から電子メール・ネットニュース・WWWの活用まで』メディア・テック出版、1999年。

外部リンク

Mew公式サイト(日本語)
Mew公式サイト(English)
FAQWiki

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