MG 131 機関銃

MG 131 航空機関銃：ドイツ空軍の主力火器

MG 131航空機関銃は、ラインメタル社が開発した13mm口径の航空機搭載機関銃です。第二次世界大戦中のドイツ空軍において、幅広い機種に搭載され、その強力な火力で敵機を撃墜しました。本稿では、MG 131の開発経緯、特徴、派生型、搭載機、そして日本との関わりについて詳細に解説します。

開発と設計

MG 131は、それまでの7.92mm機関銃MG 15とMG 17の後継として、1938年に開発が開始されました。より強力な火力を求めるドイツ空軍の要請に応えるため、13mmという大口径を採用しました。しかし、単純に口径を大きくするだけでなく、MG 15/17と同様の反動利用式ショートリコイル機構・遊底回転閉鎖方式を採用することで、コンパクトで軽量な設計を実現しました。

MG 131の大きな特徴は、新開発の13x64mmB弾薬にあります。この弾薬は、従来の同口径弾薬と比べて全長が短く、装薬量が少なかったため、銃本体の小型化に大きく貢献しました。さらに、電気発火式雷管を採用したことで、プロペラ同調機構との高い互換性を実現しました。これにより、機首に搭載した場合でもプロペラとの干渉を最小限に抑え、高い発射精度を確保することが可能になりました。

弾薬と性能

13x64mmB弾薬は、通常弾に加え、徹甲弾、曳光弾、そして炸裂弾も用意されていました。特に炸裂弾は、命中時の破壊力を高め、敵機への大きなダメージを与えることが出来ました。MG 131は、その強力な火力と高い精度から、戦闘機から爆撃機まで幅広く搭載されました。単装だけでなく、2基を組み合わせた連装型MG 131Zも開発され、より強力な火力が必要とされる機種に搭載されました。

搭載機と運用

MG 131は、Bf 109、Fw 190などの戦闘機から、Ju 88、He 177などの爆撃機まで、多様な機種に搭載されました。機首、遠隔操作銃塔、有人銃座など、搭載位置も様々でした。特に、Bf 109G後期型やFw 190A-7型以降（一部型式を除く）では、機首に一対のMG 131が装備され、強力な正面火力を実現しました。

計画段階では、He 277やBV 238など、大型機への搭載も検討されました。He 277には、4連装銃塔HL131Vが搭載される予定でしたが、これらの機体は計画段階にとどまりました。

派生型と日本への影響

MG 131Zは、MG 131を2基組み合わせた連装型で、Ju 388など大型機に搭載されました。また、余剰となったMG 131は、地上対空機銃としても使用されました。

日本海軍もMG 131をライセンス生産し、「二式十三粍旋回機銃」として採用しました。しかし、電気式雷管の国産化に難航したため、衝撃式雷管に変更せざるを得ませんでした。そのため、電機式同調装置による機首固定機銃化は実現せず、旋回機銃としてのみ運用されました。

まとめ

MG 131航空機関銃は、第二次世界大戦中のドイツ空軍において、その強力な火力と高い信頼性で重要な役割を果たしました。コンパクトな設計と様々な機種への対応力、そして派生型の存在は、その優れた設計思想を示しています。MG 131は、航空機の歴史において重要な位置を占める機関銃の一つと言えるでしょう。

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