MG 151 機関砲

MG 151 機関砲について

MG 151 機関砲は1940年、ナチス・ドイツのマウザー社によって開発された航空機用機関砲です。本砲は口径ごとにMG 151/15（15×96mm弾）とMG 151/20（20×82mm弾）の2種類があり、歴史的に多くの航空機に搭載されるなど、第二次世界大戦における重要な兵器の一つとなりました。

背景と開発の経緯

ドイツはヴェルサイユ条約によって機関銃や航空機関銃の製造を禁じられていましたが、内乱などの実戦経験を参考に火力強化を図る過程で、MG 151が誕生しました。エリコン社製の20mm機関砲の改良を試みた結果、MG 151が開発され、高初速と大火力を兼ね備えた性能を持つ機関砲として位置づけられました。

MG 151/15は中口径で期待される火力を持っていましたが、重量と反動が航空機の強度や部品に影響を与え、さらなる改良が求められました。これに応えて開発されたMG 151/20は、前者よりも高い威力を維持しつつ、短いサイズでより扱いやすく設計されました。

戦争中の運用

MG 151は、ドイツ空軍の代表的な戦闘機、メッサーシュミットBf109やフォッケウルフFw190に搭載されました。戦争の後半においては、空軍の兵器が不足したため、地上攻撃にも転用され、様々な形式で使用されました。その中にはSd Kfz 251装甲車に搭載される自走砲としての運用も含まれています。

また、戦後もしばらくはフランスや南アフリカで用いられ、日本やアメリカでもその性能を模したり、コピー生産を行う動きが見られました。

日本への導入

日本陸軍航空隊は、MG 151を800挺、40万発の弾薬と共に輸入しました。「マウザー砲」と呼ばれるこの砲は、三式戦闘機「飛燕」一型丙に搭載され、アメリカ軍戦闘機に対抗するための強力な武器としての性能を発揮しました。高い発射速度と初速を持つMG 151は、実戦においてもその威力が評価され、多くのエースパイロットに支持されました。

しかし、搭載されている薄殻榴弾の製造技術は日本にはなかったため、将来的に国産化は難しい状況でした。戦争終息に向かう中、日本の整備班はこの装備の複雑性から扱いに困難を感じていましたが、整備技術の向上が試みられました。

アメリカでの試みの失敗

一方、アメリカ軍はイギリス軍からMG 151を鹵獲し、その優れた性能に注目しました。コルト社などでリバースエンジニアリングが行われ、.60calT17としてコピー生産が試みられましたが、量産化の過程で多くの問題が浮上しました。安定した部品品質の維持、故障の頻度の増加、高コストなどの理由から、最終的に開発は中止となりました。

このようにMG 151は、さまざまな国や方式で運用されただけでなく、航空機以外の用途にも展開されるなど、その存在感は大きなものでした。以下に主な採用国を挙げます。

• - ドイツ（Bf 110、Bf 109、Fw 190など）
• - イタリア（MC.205、Re.2001）
• - 日本（三式戦闘機「飛燕」）
• - フランス（H-19、H-34ヘリコプター）
• - 南アフリカ（SA 316）

MG 151はその開発と採用により、戦争のダイナミズムに大きく寄与した機関砲として歴史に名を刻んでいます。

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